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ストームはデスロード・グルームを逃がしてしまった後、
少し考えてからベルトを外し、レクイエムとレイの元へ向かった。

(零嵐>・・・本当にさっきのは汝の父君だったで御座るか?
(レイ>間違いないわ。
(零嵐>そうで御座るか・・・
(レクイエム>・・・どうしたの?
(零嵐>レイの父君が、どんな想いで契約したか確かめるで御座る。
(レクイエム>何言ってるの!?
        デスロードが契約を完了する前に倒さないと大変な事になるのよ!
(零嵐>・・・。
(レクイエム>貴方わかってるの!?

レクイエムはストームの体を揺する。
ストームはゼロから離れた。

(レイ>あの怪物に私を襲わせてたのは、お父さんだったのね・・・
    やっぱりお父さん・・・私の事・・・

レイの目からは涙が零れる。

(ゼロ>・・・やっぱそういうのは確かめねぇと。
(レイ>無駄だよ!

レイは走り去っていった。







時の汽車“ゼロダッシャー”、次の駅は“過去”か“未来”か―――






決闘ライダー零王〜第12話:嵐が往く〜








ある料理店―――
ゼロとレクイエムは、レイの父との接触を図った。

(レイの父>帰ってくれ! レイとはもう、親でも子でもない!
(レクイエム>まだ12歳のレイちゃんに、良くそんなひどい事を!
(レイの父>あんたらには関係無い事だ! 帰ってくれ。
(レクイエム>この間レイちゃんが怪物に襲われたの見たでしょ!?
(レイの父>・・・知らん。
(レクイエム>その怪物と何か契約したんじゃないの?
       その所為でレイちゃんは―――
(レイの父>知らんと言ってるだろ。 もういいだろ? 帰ってくれ!
(ゼロ>・・・レイちゃんを見守ってくれてる奴がいる。

レイの父はテーブルを拭くのをやめ、ゼロを見る。

(ゼロ>レイちゃんは『カスミ草の人』って呼んでる。
    俺はその『カスミ草の人』はあんたじゃないかと思ってた。
(レイの父>・・・。

レイの父は黙ってテーブル拭きを始めた。


(ストーム>・・・。


(レクイエム>・・・行こう、ゼロ。
(ゼロ>あ、あぁ・・・。

レクイエムとゼロは店を出た。
その後、レイの父はこんな事を考えていた。


――――――――――――――――――

レイが出ていってから数年後、彼はレイの写真を見ていた。
するとデスロードが現れる。

(レイの父>な、なんだお前!?
(グルーム>お前の望みを言え。 どんな望みも叶えてやろう。

――――――――――――――――――

(レイの父>まさかあいつが・・・? 夢かと思ったが・・・




ゼロダッシャー食堂車内―――

(レクイエム>全く、最低の親がいたものだわ。
(フリーズ>デスロードに娘を襲わせるなんて、世も末だね。
(レクイエム>あんたに言われたくないわ。
(ブレイズ>で、どうすんだゼロ?
(ゼロ>う〜ん・・・ストームはどうする?
(ストーム>・・・・・・。
(ブレイズ>瞑想中だ。
(ストーム>呼んだで御座るか? ブレスレット
(ブレイズ>誰がブレスレットだ!
(ストーム>拙者は決めたで御座る。
(ゼロ>え? どんな事を?
(ストーム>・・・信じる事で御座る。
(レクイエム>何をよ?
(ストーム>・・・・・・。
(ブレイズ>ンガッ!
(ゼロ>・・・何か嫌な予感が・・・
(レクイエム>・・・同感ね。




ZTR―――

(ルイ>お兄ちゃん、難しい顔してる。
    幸せの星が逃げちゃうよ?

(ゼロ>・・・なぁ、親と子が突然憎しみあう事ってあるのか・・・?
(ルイ>・・・星もそう簡単に動いたりしないじゃない。
    さ、これでも飲んで元気出して。


ルイはゼロにジュースを差し出すが、何故か悪臭を放っている。

(ゼロ>ウグッ・・・これは?
(ルイ>ニンニクたっぷりレモネード♪

無謀にもゼロはそれを飲もうとしたが、ケータイが鳴る。

(ゼロ>もしもし?
{レイ>レイよ。 明日パリコレに飛ぶんだけど、
    それまでお父さんから守ってね。
(ゼロ>お父さんから・・・あぁ。
{レイ>じゃあ、明日。




翌日―――
ゼロ、レクイエム、レイ、マネージャーは別々の車に乗っていた。
ゼロとレクイエムが乗っている車の運転手は・・・

(ダーク>いやぁ、俺を選んでくれるとは光栄だなぁ!
     “キマイラ・ダーク、世界にはばたくアイドルを手伝う”!
     これで見出しは決まった!
(ゼロ>・・・いいからちゃんと前見て運転しろ。
(ダーク>わかってるって♪

ダークが前を見た瞬間、前方のレイ達が乗っている車の上に、
グルームが乗りかかった。

(ダーク>おわぁぁ!?
(ゼロ>レイちゃん!

グルームはレイを引きずり出そうとするが、手が届かず、
フロントガラスに移動する。
運転手は前が見えず、海に落ちそうになる。
ダークは前方の車がそうなってしまったので、逆方向の壁に激突する。
ゼロとレクイエムは外に飛び出す。


(ブレイズ>お、来た来たぁ〜! デスロードだ!
(フリーズ>おっと、たまには僕も運動しようかな。
(ストーム>・・・退くで御座る!


ゼロにストームが憑依した。

(ゼロ>(ストーム・・・!?)

ストームは車を海へ落とそうとしたグルームを蹴り飛ばす。
その隙に、レイ達は車の外へ逃げた。

(零嵐>拙者がするで御座る!

ストームは足で車を押す。

(レクイエム>何やってるの!?
(零嵐>父君が娘に良くない事を願う筈が無い・・・
    それを証明するで御座る!

(レクイエム>デスロードに加担しようというの!?
(ゼロ>(幾ら何でも無茶だぜ!)
(零嵐>父君はレイを愛している・・・拙者はそう信じるで御座る!
(レイ>やめて! お願いだから!

その時、スクーターで誰かが近づいてくる。

(零嵐>これがレイの為で御座る!

ストームは車を海の中へ蹴り入れた。
その時、スクーターに乗っていた男がヘルメットを脱ぐ。
それはレイの父だった。

(零嵐>汝、来ていたで御座るか。
(レイ>やっぱりお父さんがやらせてたの・・・そんなに私が憎いの!?

レイの父は何か言おうとしたが、グルームが割り込んできた。

(レイの父>・・・マネージャー、レイを早く空港へ!
(マネージャー>・・・は、はい! レイ、さぁ早く!
(グルーム>もう遅い。 これで娘の仕事は全て潰した!
      契約完了!


グルームは過去の扉を開き、過去へと飛んだ。

(零嵐>大丈夫で御座るか!?
(レイの父>・・・あんた、何て事してくれたんだ。
(零嵐>? これが汝の願いで御座ろう?
(レイの父>違う! プロダクションの社長がスターになれると、
      熱心に勧めてくれてるのに、
      レイは家の手伝いでモデルになる事を諦めかけていた。
      私はそんな健気な姿を見ていると、
      どうしても夢を叶えてやりたくて・・・
      あえて私は、娘と縁を切った。
      そんな時に、あの怪物に願いを聞かれて、
      “レイに会いたい”・・・思わずそう願ってしまったんだ。
(零嵐>・・・なら、何故デスロードは、レイを襲ったで御座るか!?
(レクイエム>レイちゃんの仕事を全て潰せばいい・・・
       デスロードはそう解釈したのよ。
       でも、これからじゃパリコレは・・・
(レイの父>私の所為で・・・娘の夢を打ち砕いてしまうとは・・・
(零嵐>いや・・・拙者の所為で御座る・・・

ストームはゼロから離れた。
そして、ゼロはチケットをレイの父親の頭にかざす。
2006年11月6日の日付が浮かび上がった。

(ゼロ>・・・もうレイちゃんとの仲直りは無理なのか・・・?
(レクイエム>・・・行きましょう。

ゼロ達はゼロダッシャーで時を飛んだ。



2006年11月6日、レイの店―――

(レイの父>お前がいると仕事の邪魔だ。
      お前は社長さんの家に住まわせて貰え。
(レイ>そんな事したらお父さん一人になっちゃうじゃない。
    お母さんが死んでからずっと元気ないのに。
(レイの父>親に逆らうような奴は俺の娘じゃない。 出ていけ!

レイは唇を噛みしめ、荷物をまとめて店を出た。
その後、デスロードが出現し、破壊活動を始めた。
そしてゼロダッシャーが来て、ゼロが降りる。

(ブレイズ>待ってました! 俺の出番だ!

ブレイズが憑依しようとすると、ストームはブレイズを蹴飛ばし、
ゼロに憑依した。

(ブレイズ>またまたかよ・・・


(零嵐>体を借りるで御座る!
(ゼロ>(ストーム!?)

ストームはデスロードを無視し、その場を走り去った。

(ゼロ>(おいストーム! どうするつもりだ!)

(レクイエム>何処へ行くの!?

(零嵐>レイと父君を会わせるで御座る!
    父君の本当の気持ちを、分かって貰うで御座る!

ストームは恐ろしいスピードで街の中を走りぬける。

(レクイエム>ダメよ、戻って! デスロードを倒すの!

(零嵐>こちらが先で御座る!


その頃、邪魔者のいないグルームは暴れたい放題で、
町を荒らしまくっている。
そして、懐中時計を持つ謎の男がこの次元にも・・・


一方、レイを追っているストームは、レイがバスに乗った所を目撃した。
そして、走っている車やマンションを飛び越え、バスを追いかけた。


(オーナー>ストーム殿・・・デスロードに加担した上、
      時の運行を変えようと言うのであれば、乗車拒否です。
(ブレイズ>よっしゃぁ! ジャマモンが減るぜ!
(フリーズ>彼がいると狭いからね、ここも。
(レクイエム>・・・ゼロダッシャーから追放されたら、
       永遠に時間の中を彷徨うのよ!?
       それでもいいの!?

(零嵐>拙者の所為で御座るからな!

ストームは恐ろしいスピードで走り、バスに追いついた。
そして彼はレイを呼び、窓を開けさせた。

(零嵐>バスを降りるで御座る!
(レイ>あんた誰なの?
(零嵐>拙者は名も無き忍者で御座る!
(レイ>何言ってるの? バカじゃない?
(零嵐>父君ともう一度会うで御座る!
(レイ>私を憎んでる人と会ってもしょうがないでしょ!?
(零嵐>父君は、汝が夢を叶えられる様、わざとつき離したで御座る!
(レイ>そんなわけ・・・

レイは窓を閉めたが、ストームは尚も説得する。

(零嵐>父君は汝を愛している! とことん信じるで御座る!
    もう一度やり直すで御座る!

ストームは体力を消耗し、スピードを落とす。
バスは彼より遠のいていった。
そしてストームはゼロから離れる。


ゼロダッシャー食堂車内―――
オーナーがストームに杖の先端を指す。

(オーナー>・・・貴方を追放します。
(ストーム>忝い。
(レクイエム>ストーム・・・



破壊活動を続けているグルームを止めるべく、ゼロが現場に到着した。

(ゼロ>行くぞストーム! 解放!

ストーム・フォーム!

彼の体中を緑色のスパークが駆け巡り、ストームが憑依した。


(ブレイズ>おい! 何で俺じゃねぇんだ!?


(零嵐>拙者の風に汝が負けた。 涙は風で飛ばすで御座る!
(グルーム>フン、バカの一つ覚えが!

ストームは金槌を旋風之鉞に変換させる。

(零嵐>これが拙者の・・・零王としての最後の戦いで御座る!
(グルーム>ハァ!

ストームの鉞とグルームの剣が激しくぶつかり合い、火花を散らす。
鉞が剣を弾き、ストームは攻撃を加えようとしたが、
グルームは鞭で中距離から攻撃する。

(零嵐>・・・拙者もまだまだで御座るなぁ!

グルームはまた剣で斬りかかるが、ストームはそれをひょいひょい避ける。
そして彼は鉞を天高く投げた。

フル・チャージ!

(グルーム>ガァ!

グルームは抵抗しようとするが、ストームは彼を台座に使って跳び、
鉞を掴んで回転しながらグルームを真っ二つに断ち切った。

(零嵐>・・・金剛道断


(セイバー>やりましたよ!
(ブレイズ>俺の出番無しかよ・・・
(フリーズ>でも、風も見納めだし、いいんじゃない?



全員が食堂車に集まる。

(オーナー>ストーム殿には、ゼロダッシャーを降りてもらいます。
(ゼロ>ッ!? けどよ―――
(オーナー>これは決定事項です。
(ストーム>良いで御座る、ゼロ。 ・・・有難う。

その時、ゼロダッシャーの汽笛がなる。

(オーナー>おや、停止信号のようですね。

ゼロダッシャーが止まると同時に、何処かのエレベーターが開く。

(ゼロ>・・・ここは?
(オーナー>ゼロ殿がレイ殿と会った、その少し前のようですな。

レイはインタビューを受けていた。

(レイ>・・・一度きりの人生、やり直しは―――

その時、レイは急に立ち上がり、何処かへ走った。

(マネージャー>おいレイ! 何処行くんだよ・・・!


レイは玄関で止まった。
ボーイがある男からカスミ草の花束を受け取っていた。
その男は・・・

(レイ>お父さん!
(レイの父>ッ!? レイ・・・!

レイは父親の下に駆け寄る。
ボーイは身を引き、マネージャーも下がった。

(レイ>・・・やっぱり、カスミ草の人はお父さんだったのね?
(レイの父>お前・・・何でそれを?
(レイ>去年、お父さんの事を信じろって言った人がいたの。

それは明らかに、ゼロに憑依したストームの事だった。

(レイ>・・・信じて良かった。

彼女は笑顔でそう言った。

(レイの父>・・・そうか・・・
(レイ>私、今度パリコレに行くんだよ。
    夢を叶える為に頑張ったんだから。
(レイの父>なら・・・こんなもの、必要ないな。

レイの父親は花束を下げようとしたが、レイはそれを止めた。

(レイ>そんな事無い。
    でもこれからはカスミ草の人じゃなくて・・・
    お父さんとして私を見守ってね・・・
(レイの父>レイ・・・

彼等は涙ながらに抱き合った。

(ストーム>・・・・・・。

ストームが涙を流していたのを見て、ゼロはハンカチを取り出す。

(ゼロ>涙はやっぱ飛ばせねぇから、拭いたらどうだ?
(ストーム>・・・いや、いいで御座る。 では拙者はこれで・・・
(オーナー>何処へ行く気ですか?
(ストーム>降りるで御座るよ。
(オーナー>その必要はなくなりました。
(全員>?

全員は食堂車に戻り、ゼロダッシャーは発ち、
エレベーターのドアも閉まった。

(オーナー>レイ殿とその父殿が仲直りをした事で、
      デスロードとの契約も消え、
      レイ殿とゼロ殿の出会いもなくなりました。
(ブレイズ&フリーズ>ッ!?
(ゼロ>・・・よくわからねぇが・・・ストームの暴走も無くなったって事か?
(オーナー>その様です。
(セイバー>でも・・・それって変じゃないですか?
(レクイエム>2人が出会わなければ、
       私達が過去へ飛ぶ事も無かった訳ね・・・
(オーナー>そう、変です。 ですから、時の運行を変えてはならないのです。
      このような事は、これっきりにして下さい。
(ゼロ>・・・有難う御座います。
(オーナー>私は何もしてませんよ・・・

オーナーは食堂車を去った。

(レクイエム>・・・よかったじゃない、ストーム。
(フリーズ>ハァ・・・結局このままか・・・
(ブレイズ>冗談じゃねぇぞ! テメェはクビだ! クビぃ!
(ゼロ>いつかまたあんなふうに走りたいな。
    ・・・ストーム?

ストームは黙っている。
ブレイズが顔に手をかざすと、どうやら瞑想をしているらしい。

(ブレイズ>あ゛ぁ゛〜!! 起きろ! テメェの話をしてんだよ!
      時代は平成19年だぞ!

ブレイズは殴ったり蹴ったりしたが、全て避けられた。

(ストーム>・・・・・・。
(ブレイズ>クッソォ〜!!

今日も平和なゼロダッシャーであった・・・









TO BE CONTINUED...












NEXT STORY...

(キル>えらい悪霊が出てきて・・・ゼロが乗っ取られたんや・・・

(レクイエム>やっぱりブレイズ達がとり憑いたわけじゃない・・・

(???>ゼロを殺さなきゃならないんですって。

(???>じゃあ・・・倒しますね・・・


決闘ライダー零王〜第13話:決定権はありません!〜




ある喫茶店―――

(女性>レイちゃん、今度パリコレに行く事が決まった訳だけど、
    どう? やっぱり嬉しい?

女性の横にはカメラマンもいて、質問と答えをメモしているものもいる。
どうやら、このレイと呼ばれた少女は相当有名なようだ。

(レイ>やっとスタート地点に立てたって感じかな。
    人生やり直しはきかないし、やれるところまでやるわ。
(女性>・・・はぁ・・・

女性は子供が大人びた発言をするのが予想外だったのか、
とても感心している。

(レイ>それと、ちゃん付けとジュニアモデルっていう肩書きも卒業したいな。
(男性>失礼します。

そこへ、カスミ草の花束を持った男性が、レイの元にきた。

(男性>レイさんにこれを。

レイは花束をもらった瞬間立ち上がり、辺りを見回す。
誰かを探しているようだ。
そして、窓の外を見ると、カスミ草の花束を持った男がいた。
レイは外へ飛び出す。

(マネージャー>おいレイ? 何処行くんだよ!


レイはさっき見た男を探す。
そして、その男が近くを歩いていた。
しかしその男、何処かで見た事があるような・・・

(レイ>待って!

レイは男を呼びとめ、前に立つ。

(レイ>貴方だったのね!
(ゼロ>え・・・何の事だ?

そう、その男は神超ゼロだった。

(レイ>ほらこれ! カスミ草!
(ゼロ>あぁ、これは妹に頼まれて―――
(マネージャー>レイ! ダメじゃないか、急にいなくなったりして!




ゼロダッシャー食堂車内―――

(ストーム>急に・・・拙者より速い、そういう事で御座ろうか・・・

ストームはゼロに憑依した。




ストームに憑依されたゼロは、口を布で覆っている。

(零嵐>拙者に勝てる者とはどの者で御座るか?
(マネージャー>・・・何だ、お前は!
(レイ>怪しい人じゃないわ! そう・・・ファンなの!
(零嵐>・・・不安? 汝、不安で御座るか?
(マネージャー>さぁ、戻ろう。

マネージャーはレイの手を引くが、ストームはそれを止める。

(零嵐>やめるで御座る。 嫌がっているで御座ろう?
(マネージャー>どけ! この・・・

マネージャーはストームを押そうとするが、
ストームは恐ろしいスピードで回避する。

(マネージャー>ハァ、ハァ・・・さっきから何なんだ、あんたは!
(零嵐>拙者で御座るか? 名も無い忍びで御座る。
(マネージャー>は?

ストームは目にも止まらぬスピードで走り回る。
マネージャーは目を回し、その場で倒れた。

(零嵐>拙者の風に汝が負けた。 涙は風で飛ばすで御座る・・・

すると、偶然風でカスミ草が飛ばされてきた。

(レイ>やっぱり貴方がカスミ草の人だったのね!
(零嵐>・・・む?





時の汽車“ゼロダッシャー”、次の駅は“過去”か“未来”か―――





決闘ライダー零王〜第11話:激走・幻想・カスミ草〜





カスミ草の事があってから翌日の『ZTR』―――

(ダーク>おぉ〜! 綺麗な花だな〜・・・
(キル>形からして・・・ニラの花? あ、ネギか!?
(ルイ>カスミ草よ。 花言葉は、“清き心”。
(ダーク>・・・ルイちゃんにピッタリ!

ルイはカルピスをゼロに渡し、ゼロは自分の席でレクイエムにカルピスを渡す。

(レクイエム>・・・それで何だったの? カスミ草の人って・・・
(ゼロ>・・・よくわかんねぇ。 あの後すぐ目ェ回した人起こしたから。
(レクイエム>・・・でもストームって他のトカゲよりマシよねぇ・・・



(ブレイズ>何処がマシだ! デケェし邪魔なんだよ!
(フリーズ>おまけに、1回瞑想し始めたらなかなか起きないし。
(ブレイズ>平成19年に瞑想なんてする奴がいたのかよ。
      カルピス温くなっちまうぞ!
      ったく、見てるだけでイライラするぜ。
(ストーム>呼んだで御座るか? ブーメラン。
(ブレイズ>誰がブーメランだ、この!

ブレイズは飛び蹴りしたが、ストームは瞑想をしつつ避けた。
ブレイズは床にぶち当たる。

(ブレイズ>イッテェ〜!
(セイバー>ストームさんって大物なんですね!
(フリーズ>・・・ある意味そうなのかも。




ゼロのケータイがなる。

(ゼロ>もしもし・・・あ、昨日はすいませんでしd――痛ぁ!

ゼロは頭を下げたが、その拍子に机に頭をぶつけたらしい。

(ゼロ>・・・え、今から? ・・・わかりました。

ゼロは通話を切る。 レクイエムが訊ねた。

(レクイエム>何って?
(ゼロ>昨日目ェ回した人、今すぐ来いって・・・
    怒られるかな・・・
(レクイエム>・・・私も行くわ。
       ストームがゼロに入ったのは、私の所為でもあるし。




ある建物―――
沢山の少女が集まっていた。
警備員も立っている。

(レクイエム>・・・本当にここなの?
(ゼロ>うん・・・あぁ!?

ゼロが見つけたのは、すぐそこに張られていたポスター。
そのポスターには、昨日あった少女の写真があった。
そのポスターを見にきた少女に、ゼロは尋ねた。

(ゼロ>なぁ、この子もしかして有名人?
(少女A>知らないの? 早乙女レイ。
    ジュニアモデルのトップクラスじゃん。
(少女B>ねぇ、行こう。

少女達はそこを立ち去り、入れ替わるように帽子を深く被った少女が。
その少女はゼロの背中を押し、一目につかないような場所に移動する。

(ゼロ>な、何だよ。

少女はサングラスをとる。

(レイ>私よ。
(ゼロ>・・・レイちゃん?
(レイ>あのさぁ、『ちゃん』付けはやめてくれる?
(少女達>あ〜! レイちゃんだ!

少女達はレイを発見し、花束などを持って一斉に押しかける。
それをマネージャーが必死で抑える。

(マネージャー>やめろやめろ! 君! 君もレイを守って!

何故かマネージャーに頼まれたゼロは、言われた通りにレイを守る。
が、相手の力と量が大きすぎ、ゼロは踏み潰されてしまった。
逃げるレイとマネージャー、追いかける少女達。

(ゼロ>・・・なんでこうなるんだ・・・




控え室―――

(マネージャー>ったく君は役に立たないねぇ!
(ゼロ>そっちが勝手に呼んだんだろ!
(レクイエム>・・・それで、ご用件は?
(レイ>・・・もう一度会って確かめたかったの。
    貴方がカスミ草の人なのかどうか。
(ゼロ>・・・で、それって何の事何だ?
(レイ>良いんだけどね、言いたくなかったら。
(マネージャー>・・・もう時間だ。 レイ、衣装に着替えて。

マネージャーがタンスを開けると、ボロボロの衣装が出てきた。

(マネージャー>こ、これは・・・!
(レクイエム>酷い・・・!
(マネージャー>・・・実は、レイのパリコレ行きが決まってから、
        こういう事が3度も・・・!
(レクイエム>{もしかして・・・デスロードの仕業・・・}
(ゼロ>{まさか・・・}
(レイ>そうだ、貴方、私のボディガードしてよ。
(ゼロ>俺が? 冗談はよせよw
(レイ>貴方は一度マネージャーの目を回させたんだから、
    それの責任もとってもらわないとね。
(ゼロ>マジかよ・・・





色んな衣装を着た女性が舞台を歩いている。
観客の中には、レイが狙いの少女達もいた。
舞台裏では、ゼロとレクイエムが見張っている。

(レクイエム>何も怒らなければ良いけど・・・
(ゼロ>すまねぇ、レクイエムにまで手伝わせて・・・

そしてレイが舞台に出ると、観客は一斉に花束を持ち上げる。
そして、後ろの方で何かが覗いた様な・・・


(ストーム>・・・む。

再びストームがゼロに憑依する。


(レクイエム>ど、どうかしたの?
(マネージャー>どうですか? 怪しい者はいましたか?
(零嵐>・・・何か気配を感じるで御座る。
(マネージャー>え!?
(零嵐>舞台の下に・・・
(レクイエム>・・・何処?

ストームはまた恐ろしいスピードで移動し、再び戻ってきた。
そして、ストームの手には・・・

(レクイエム>・・・ネズミ?
(零嵐>・・・まだまだ修行が足りぬで御座る。

ストームはネズミを放す。
そのネズミは観客席へ・・・

(客>あ! ネズミ!

会場はネズミ一匹で大パニックとなった。
マネージャーの顔は真っ青である。

(レイ>・・・でも、やっぱり凄い人・・・





車の中―――

(マネージャー>あんたの所為でショーは滅茶苦茶だよ!
        どうしてくれんのさ!
(ゼロ>会場の掃除を怠った方が悪いんだよ!
    平成19年にネズミが出る会場なんて初めて見た!
(レイ>まぁまぁ、いいじゃない。 私の為にやってくれたんだし。
(マネージャー>だがお陰でショーは中止だ!
        次の現場では大人しくしててよ!
(ゼロ>ざけんなよ。 えらそうに・・・
(レクイエム>{ゼロ、抑えて。}




(ブレイズ>おい風! これ以上ゼロの体で好き勝手させねぇぞ!

ストームは何も喋らない。

(ブレイズ>おい聞いてんのか!?
(フリーズ>風は瞑想中だよ、先輩。

ブレイズが目の前に手を広げても、ストームは反応しない。
頭を叩こうしても、すぐに避けられてしまう。

(ブレイズ>あぁぁぁぁぁぁあ! この怒りを何処へぶつけりゃいいんだ!?




ある撮影スタジオ―――
レイが写真撮影をしている。

(ゼロ>・・・レイちゃん、働き詰だが・・・親は心配とかしねぇのか・・・?
(レクイエム>事務所の社長の家で暮らしてるんですって。
       本当のモデルって感じね。

その時、急に照明が消える。
現場が騒然とする。


(ブレイズ>・・・匂うぜ・・・デスロードの匂いだ!


(ゼロ>え? 何処だ? 何処に・・・
(レイ>きゃあ!

レイの叫び声が聞こえ、ゼロが駆け寄ろうとするが、
椅子の足に引っ掛かり、こけてしまった。

(レクイエム>大丈夫?

と同時に、照明がつく。
レイの衣装は墨を被っていた。

(レクイエム>どうしたの!?
(マネージャー>衣装が・・・!

その後、扉が閉まる音がした。
ゼロとレクイエムが追いかける。


犯人らしき者は階段を駆け下りていく。

(ゼロ>俺はこっちから!

ゼロとレクイエムは二手に別れた。
レクイエムは犯人を追いかけるが、なかなか追いつかない。
階段を下り終わった時、逆方向からきたゼロが犯人を捕まえた。
見ると、犯人は少女のようだ。

(ゼロ>お前が犯人か!?
(少女>放して!

そして、ゼロはその少女が墨の入った水鉄砲を持っている事に気付いた。



ゼロ達はひとまず、部屋に移動した。

(マネージャー>服を切り刻んだのも君か?
(少女>悪い? パリコレには、本当は私が選ばれる筈だったの。
(マネージャー>来なさい!

マネージャーは少女の手を引き、部屋から連れ出す。

(レクイエム>・・・誰なの?
(レイ>世間では私のライバルって言われてる子。
    私は相手にしてないけどね。
(ゼロ>・・・とりあえず、デスロードじゃなくて良かった。


(ブレイズ>バカ野郎! いるっていっただろ!


ブレイズのいった通り、目の前に深緑色のローブを着た者が、
ムチをつたって天上から降りてきた。
デスロードだ。
デスロードは真っ先にレイを襲う。

(レイ>キャア!

が、ゼロにブレイズが憑依し、デスロードを突き飛ばした。

(零焔>俺、炎上! おいクソ女、レイを連れて逃げろ。

レクイエムはブレイズを一発殴り、レイと共に非難した。
デスロードは油断しているブレイズに後ろからかかっていくが、
ブレイズはそれを蹴って防ぐ。

(零焔>ストレス溜まりまくってんだ! 相手してもらうぜ!

ブレイズは余程腹が立っているのか、解放せずに闘っている。
そしてデスロードはムチをうってきたので、ブレイズはベルトを構えた。
が、デスロードはその場を去った。

(零焔>おい、こら待て! ・・・っかぁぁぁぁぁ! またかよ!

ブレイズはゼロから離れた。




控え室に戻ったレクイエムとレイ。
なんと、机の上にカスミ草が・・・

(レイ>カスミ草・・・!

その後、ゼロが部屋に入った。

(ゼロ>怪我は無かったか?
(レイ>やっぱり貴方がカスミ草の人だったのね。
(ゼロ>へ?
(レイ>これ、貴方でしょ?
(ゼロ>いや・・・違う。
(レイ>嘘! もう隠さなくてもいいんだよ。
(ゼロ>・・・悪いが、本当に違う。

レイは悲しそうな顔をする。

(レクイエム>・・・そのカスミ草の人って、どんな人なの?
(レイ>私の・・・心の支えなの。
    私が仕事をして疲れてる時、迷ってる時、
    人知れずカスミ草を置いていってくれるの。
    そのお陰で何度助けられた事か・・・
    だからカスミ草の人にあったら、ちゃんとお礼が言いたかったの。
(レクイエム>そうだったの・・・
(ゼロ>それだけレイちゃんことを思っている人か・・・
    父親とかじゃないか?
(レイ>それはない。 絶対に。

レイが物凄い形相で言う。
これには何か訳があるのか・・・




さらに翌日―――
あるスタジオの控え室。

(ゼロ>やっぱりさっきのデスロードはレイちゃんを狙ったのか・・・?
    昨日の女の子が契約者では無いと思うが・・・
(レクイエム>・・・意外と犯人は近くにいるのかも。

レクイエムはふと、ドア越しにマネージャーが誰かと電話をしているのを見た。
レクイエムとゼロが近づくと、マネージャーは電話を咄嗟に隠す。

(レクイエム>マネージャーさん、ちょっと聞きたい事が・・・


控え室の外―――

(マネージャー>レイを憎んでいる者?
(レクイエム>えぇ。 そいつが怪物にレイちゃんを襲わせてる可能性があるの。
(マネージャー>いや・・・僕に心当たりは・・・
(レクイエム>レイちゃんの身内とか?
(マネージャー>そ、それはないです! それは・・・!

マネージャーは必死に否定するが、レイがきた。

(レイ>正直に話してもいいよ。
(マネージャー>レイ! いつからそこに・・・
(ゼロ>心当たりがあるのか?
(レイ>・・・私のお父さん。
(ゼロ>え!?
(レイ>お父さん・・・私を憎んでるわ。
    ずっとお父さんと二人暮しだったのに、急に家を追い出されたの。
    何の理由も無く。 それっきり一度もお父さんとは会ってない。
    でも別にいいの。 トップモデルに親なんて必要ないから。
(マネージャー>おい、レイ!

レイとマネージャーは部屋に戻った。




(ブレイズ>チッ、可愛くねぇ娘だぜ。
(フリーズ>そういう悪口は言う物じゃないな。
(ストーム>・・・涙流れたで御座る。
(焔+氷>え?


スタジオの外でレイの姿が。
父親の事を思い出してか、その目には涙が。

(スタッフ>レイさーん、そろそろ来て下さーい。
(レイ>は、はーい。

レイは涙を拭い、部屋へ向かう。


(ストーム>心の涙は、風では飛ばせぬで御座る!
(ブレイズ>おい、待てよ!

ストームはまたゼロに憑依した。 本日三度目である。


ストームはレイを引き止める。

(零嵐>レイ、父君の事は拙者に任せるで御座る。
(レイ>え?
(零嵐>全て話さずとも分かっているで御座る。
(レイ>一体何の事よ?
(零嵐>父君と、仲直りで御座る!
(レイ>は? 何言ってるの?
(零嵐>兎に角、拙者に任せるで御座る。
(スタッフ>レイさん、急いで!
(レイ>はい! ・・・いい!? 勝手な事しないでよね!

レイは部屋の中に入る。

(零嵐>大船に乗ったつもりで待っておくで御座る。

ストームは憑依を解除する。

(ゼロ>ストーム、何なんだ・・・?




(マネージャー>はい、そこなら近いです。
        大通りを真っ直ぐ来て頂いて―――あ!

マネージャーのケータイをレクイエムが取り上げる。
『もしもし?』と言ってみたが、すぐに切れてしまった。

(レクイエム>誰にレイちゃんの仕事先を教えていたの!?
(マネージャー>あ、あんたには関係ない!
(レクイエム>怪物の契約者かも知れないのよ!?
       もしかして、レイちゃんのお父さん・・・?
(マネージャー>ち、違う! そんな訳は無い!

レクイエムはマネージャーのネクタイを掴む。

(レクイエム>正直に言いなさい。
(マネージャー>い、言えないんだ・・・そういう約束なんだ・・・

レクイエムは手を離す。
そこへゼロが来た。

(ゼロ>どうかしたのか?
(レクイエム>レイちゃんが危ない!




レイは今スタジオで撮影をしていたところだ。
本番を撮影しようとした瞬間、あのデスロードが天井から現れた。
丁度そこへゼロが部屋へ突入。

(ゼロ>行くぞブレイズ! 解放!

ブレイズ・フォーム!

(零焔>俺、炎上!
(グルーム>このグルームの邪魔をする気か!?
(零焔>うるせぇ! 最近出番がねぇから、
    俺のイライラはレッドゾーンだぜ!

ブレイズは殴り、蹴りの繰り返しでグルームを痛めつける。

(零焔>どうしたどうしたぁ!? ・・・おっとぉ!

グルームは得意のムチで攻撃するが、ブレイズはひょいひょい避ける。
そしてグルームを掴み、投げ飛ばした。

(零焔>やっぱり闘ってる時の方が最高だぜ!
(グルーム>亡き者にしてやるわぁ!


(ストーム>・・・む、拙者を負かすと言う事で御座るか。


(零焔>負けてねぇっての!

ストームが憑依しようとするが、ブレイズと争いになる。

(ブレイズ>(今いいところなんだよ!)
(ストーム>(休憩も大切で御座る!)

争いの末、ストームが勝利した。

ストーム・フォーム!

全身に緑のスパークが走り、ストームが憑依する。
そして、何処からか若葉が舞う。

(零嵐>拙者の風に汝が負けた・・・涙は風で飛ばすで御座る。
(グルーム>フン・・・己の涙でも飛ばすがいい!

グルームは今度は剣を振るうが、ストームは素早く交わし、蹴りを入れる。

それを影で見ていたレクイエムとレイ。
レクイエムはスタジオから逃げていく者を発見した。
足から砂を流しながら・・・

(レクイエム>契約者・・・!

レクイエムは契約者を追う。
レイもレクイエムについていく。
しかし契約者は外へ逃げてしまった。
少しだけ見えたその顔は・・・

(レイ>お父さん・・・!
(レクイエム>え!?
(零嵐>何!?

ストームはグルームのムチ攻撃を避けながら反応する。
そして金槌を旋風之鉞に変え、屋外へふっ飛ばす。

(グルーム>グゥ・・・
(零嵐>トドメで御座る・・・

フル・チャージ!

ストームが旋風之鉞を投げようとしたその時・・・

(グルーム>ハァ!
(零嵐>むっ!?

グルームは最後の力を振り絞り、ムチで鉞を弾いた。
そしてその隙に逃げてしまった。

(零嵐>クッ・・・まだ修行が足りぬで御座るな・・・









〜続く〜









〜予告〜
(ゼロ>親と子が突然憎しみあうなんて事があるのか・・・?

(レイ>やっぱりお父さんがやらせてたのね。

(レイ>そんなに私が憎いの!?

(ストーム>父君は汝を愛している! とことん信じるで御座る!
      もう一度やり直すで御座る!


決闘ライダー零王〜第12話:嵐が往く〜




ゼロダッシャー食堂車内―――

(ブレイズ>あの風トカゲ!
      次会ったら絶対潰す!
(フリーズ>確かに、あれは手強いね。
(セイバー>・・・でも、契約していたアックスさんって人を守ったんですよね?
(レクイエム>契約者が死んだら困るだけよ。
       デスロードなんて、契約完了する事しか考えてないもの。

レクイエムは疲れたゼロに毛布をかけながら言う。

(ゼロ>あのデスロードは違う気がする・・・何となくだが・・・
(レクイエム>デスロードはデスロードよ!
       人を襲ってたじゃない!?
(ゼロ>襲ってたのはあの鉄球持ってたデスロードの方だろ・・・

全員の脳裏に浮かんだのは、ヘイトというデスロードだ。

(レクイエム>ゼロはデスロードに甘すぎるわ!
       あいつらの目的忘れた!?
       時の運行が乱れたら、ゼロだって!
(ゼロ>でもよ・・・
(レクイエム>いいわ。 私があの緑のデスロード追うから、
       ゼロは休んでて。
(ゼロ>あぁ・・・ブレイズとフリーズ、レクイエムと一緒に行ってくれないか?
    もう少し事情を調べた方がいいと思うんだ。





時の汽車『ゼロダッシャー』。 次の駅は、過去か、未来か―――





決闘ライダー零王〜第10話:特異点の鎮魂歌〜





パトカーが2,3台走っている。
そのパトカーは建物の前で止まる。

(警官>いたぞ! あそこだ!

警官の指差す先に、階段の踊り場で女性に刃物を向けている男がいた。
恐らく、いや絶対悪い人だろう。
そこへ偶然通りかかったアックス。
女性の悲鳴を聞き、男のいる場所へ大ジャンプ。

(男>おわ!? な、何だお前!?
(斧嵐>悪いが、下に降りてもらうで御座る。

アックスは男の腕を掴み、人質の女性を置いて下へ飛び降りた。
怪我は無いが、男は気絶している。

(斧嵐>運動にはなったで御座るな。

アックスは男を置いて、その場を立ち去った。
後に警官がやってきて、男を連行した。
アックスが歩いていると、声をかけられた。

(零焔>よぅ風トカゲ。 派手にやってんな。
(斧嵐>汝、負けて逃げたのではなかったで御座るか?
(零焔>そりゃテメェだろ? 契約者持ち上げて帰ったってな。
(斧嵐>・・・
(零焔>やるか?
(斧嵐>次会った時にでも。 こちらも忙しいで御座るからな。

アックスは傍の階段を上り、その場を去ろうとする。

(零焔>チッ、氷トカゲみてぇにいかねぇな・・・
(レクイエム>ちょっと待ちなさいよ!

レクイエムがアックスより上の段に立ち、行く手を阻む。

(レクイエム>貴方が憑いてるアックスっていう人、去年病気で引退してるのよね。
       もう一度から手をするのが契約なの?
(斧嵐>勝つ事を望む者に、他に望むものは無いで御座る。
(レクイエム>でもどうせ出鱈目な契約するのよね、貴方達は。
       何をするつもりか知らないけど、絶対に止めるから!

アックスは段に座り込む。

(斧嵐>・・・出鱈目かどうかは今に分かるで御座る。
       速さを極めた者同士の契約・・・素人には分からぬで御座る。
(零焔>テメェ一々むかつく奴だなぁ!

すると、ブレイズの足が止まる。
何かを感じ取ったらしい。

(零焔>・・・いるぜ。 もう1匹の方だ。 こっちを狙ってやがる。
    丁度いい。 あっちでストレス発散だ!



ブレイズの言うとおり、階段の上の方で、デスロード・ヘイトが歩いていた。
ヘイトは前からブレイズが走ってくる事に気がつく。

(ヘイト>邪魔な奴め。
(零焔>テメェ! そこ動くなよ!

ブレイズは遠心力を利用してベルトを腰に巻く。

(零焔>解放!

ブレイズ・フォーム!

全身に赤いスパークが走る。
ブレイズは七つ道具のナイフを灼熱之刀に変える。

(零焔>俺炎上!

ブレイズは斬りかかるが、相手の纏っているローブが異常に固く、
全く歯が立たない。
ヘイトは鉄球を振り、ブレイズはもろに喰らう。
さらにブレイズは斬撃を入れるが、ヘイトはビクともしない。

(零焔>バカみてぇに頑丈だな・・・
(ヘイト>潰されたくなければ消えろ!

ヘイトは腹に鉄球をぶちこむ。
ブレイズは吹っ飛び、体勢を整えたが、既にヘイトの姿はなかった。

(零焔>野郎ォ・・・何処行った!?




ブレイズはヘイトを探す為にそこら中を探し回った。

(零焔>クッソ・・・何処へ消えた・・・!

すると、何処からか威勢のいい声が。
気がつけば、ここはヤイバのいる空手道場だった。
ブレイズが道場へ侵入すると、ヤイバはたった一人で練習をしていた。
ヤイバはやはりデスロードについて考えていた。

(ヤイバ>俺の望みは・・・

ヤイバは道場に飾られたトロフィーを見る。
恐らくアックスとの決勝戦で不戦勝で得たトロフィーだろう。
ヤイバはそれの台を素手で破壊し、トロフィーを落とした。
そして、下には灰が溜まっていた。

(零焔>あいつが鉄球野郎の契約者か・・・

そこで、ブレイズとフリーズが交代し、ヤイバに近づいた。

(ヤイバ>お前は・・・
(零氷>昨日は騒がせてしまってすみません。
    実はあの時、君の様子が気になって。
(ヤイバ>え・・・?
(零氷>“淀んだ水は飲めない”・・・
    ヤイバさん、入れ替えませんか? 心の水を・・・





公園で、子供達が空手の練習をしている。
子供ながらも元気のいい声が辺りに響く。
アックスが子供達を見ていると、レクイエムが追いかけてきた。

(レクイエム>待ちなさい! まさかこんな子供達を襲う気!?
(斧嵐>・・・汝、大丈夫で御座るか?
    拙者の空手は、もう完成しているで御座る。
(レクイエム>え?
(斧嵐>このアックスに空手をさせる為には、
    憑いている拙者が空手を極めるしかないで御座る。
    その為に修行してきたで御座る。
    この速さには、何人も負けるで御座る。

アックスは恐ろしい速さで公園の木々を飛び渡る。
・・・が、元の場所に戻った時、子供達がコメントを残した。

(子供A>すげぇ〜! ・・・けど、空手じゃないよ、それ。
(斧嵐>・・・な、何を言うで御座る!?
(子供B>忍者みたいだったよ!

そして、子供達は帰っていった。
この言葉が信じられず、アックスはレクイエムに訊ねる。

(斧嵐>・・・本当で御座るか?
(レクイエム>・・・えぇ。

アックスは完全に傷つき、数分間、一言も話さなかった。




アックスはベンチに座っていた。
どうやらまだ落ち込んでいるらしい。
レクイエムはアックスにジュースを差し出した。

(斧嵐>・・・む?
(レクイエム>・・・貴方にじゃなくて、アックスさんに。
       人間だし、病気で引退した人でしょ?
       疲れるじゃない。
(斧嵐>・・・そうで御座るな。

アックスはジュースを受け取るが、ため息をつく。

(レクイエム>何よ。 デスロードなんていつも適当で、
       勝手な解釈で望みを叶えてるくせに。
       どうして落ち込むのよ!
(斧嵐>他の者は知らぬ。 しかし・・・
    この者はもう一度空手をやりたいと望んだで御座る。
    拙者はそれを叶えたいと思った、それだけで御座る。
    できる事は、この者の体を使って空手をする事。
    同じ物を求める者として、最強の空手を。
(レクイエム>・・・それで、空手道場を荒らして練習してたの?
(斧嵐>・・・拙者、空手なぞ知らなかったで御座るからな・・・

アックスはジュースを飲む。

(レクイエム>デスロードのくせに、そんな善人ぶった事してどうなるのよ!?
       どうせ目的は過去を変える事でしょ!?
(斧嵐>・・・む、忘れていたで御座る。
(レクイエム>そんな・・・
(斧嵐>汝、本当に拙者等を嫌っているで御座るな。
    何かあったで御座るか?

レクイエムは俯く。
そこへ・・・

(ヤイバ>アックス!

ヤイバがアックスを呼びながら駆けてきた。
アックスに憑いているデスロードは憑依を解除する。

(ヤイバ>よかった・・・無事だったか・・・
(アックス>ヤイバ・・・


レクイエムは後からゼロが来た事に気がつき、ゼロに駆け寄る。

(レクイエム>どういう事?
(ゼロ>鉄球のデスロードと契約してたのはあいつだったんだ。
    それでフリーズに話を聞いてもらってたんだが・・・
    話してる途中にアックスに会いたいって言い出して。
(ヤイバ>アックス、俺バカだ・・・
     お前が病気になって、俺は学生からのトップになったけど、
     常にトップに立っていたお前に勝って取った地位じゃない。
     俺は必死で否定して、強がって・・・
     怪人が現れた時、本当のトップになりたいって願ってた。
     だが、ただ他の奴等が襲われるだけだった。
     お前の事まで狙って・・・


ヤイバは一度俯き、そして話を続ける。

(ヤイバ>俺、気付いたんだ。
     俺の願いは、トップになりたい事じゃない。
     俺はただ、あの日できなかった決勝戦を―――


このタイミングの悪い時にデスロード・ヘイトが現れた。

(ヘイト>お前の望み、果たしてやろう。

ヤイバはアックスを狙うヘイトを攻撃したが、弾き返されてしまった。

(ヘイト>最後の仕上げだ・・・

ヘイトはアックスを殺そうとしたが、
デスロードが憑依し、間一髪で避ける。

(斧嵐>拙者の契約者に手を出す事は許さぬ!

アックスとヘイトは互角に渡りあったが、
ヘイトに弾き飛ばされてしまう。

(ヘイト>契約完了・・・。

ヘイトはヤイバに近寄り、過去の扉を開き、入っていった。
その後、デスロードがアックスから離れ、気絶したアックスをベンチに寝かせた。

(ゼロ>おい! しっかりしろ!

アックスは目を開け、ヤイバに離しかける。

(アックス>ヤイバ・・・俺も決勝の事がずっと気になってた・・・
      もう一度空手をやりたいと願ったのも、
      きっとお前と決着をつけたかったから・・・
      ヤイバ、いつかきっと決勝戦を・・・


ヤイバは首を縦に振った。

(アックス>・・・なんか、夢で空手やってた気がする。
      凄いヘタクソだったがw

(???>あ、あれは・・・
(アックス>けど、さっきの蹴りは久々の感覚だったぜ。
      ありがとう。

(???>む・・・契約完了。
(レクイエム>ッ!? ちょっと、飛ぶ気!?

レクイエムが止めようとした束の間、
デスロードは過去の扉を越えて過去へと向かった。

(レクイエム>何よ! やっぱりデスロードはデスロードね!
(ゼロ>そうは思えねぇ・・・俺達も行くぞ!

ゼロとレクイエムはゼロ・チケットを2人の額に当てる。
チケットに浮かんだ日付は2人とも・・・

(レクイエム>2006年5月21日・・・



2006年5月21日―――
丁度決勝戦が始まった時。
アックスが倒れ、ヤイバや審査員が駆け寄る。
そしてヤイバの体から大量の灰が溢れ、ヘイトが現れた。
観客や審査員はヘイトを恐れ、逃げていった。
ヤイバはアックスを連れて共に逃げた。

外へ出ると、ヘイトは出口の屋根を破壊し、
アックスとヤイバが潰された。
そこへゼロダッシャーが到着し、ゼロとレクイエムが降りた。
その直後、時計を持っていた謎の男が立ち去った。

(ゼロ>ブレイズ、行くぞ!

ゼロは遠心力を利用して、ベルトを巻く。

(ゼロ>解放!

ブレイズ・フォーム!

(零焔>俺、炎上!
(ヘイト>すぐに退場させてやる!

ヘイトは鉄球をブーメランのように投げるが、
ブレイズはそれを避け、帰ってきたところを灼熱之刀で弾いた。

(零焔>行くぜ行くぜ行くぜぇ!


(レクイエム>あのトカゲ、何処に・・・


ヘイトがブレイズを狙って鉄球を振り降ろす。
ブレイズは避けたが、すぐ後ろは建物の柱だった。
屋根の壊れた部分から、アックスとヤイバに向けて鉄骨が落ちる。

(レクイエム>ッ!? 逃げて!

その瞬間、アックスからデスロードが離れ、鉄骨を蹴りでふっ飛ばした。

(レクイエム>え・・・!?
(零焔>・・・ん?
(???>今の内に逃げるで御座る!

デスロードはアックスとヤイバを潰している瓦礫を退ける。
そしてレクイエムはアックスとヤイバを逃がす。

(ヘイト>何をしているぅ!?

ヘイトは鉄球からデスロードに向けて光弾を放つ。
デスロードは瓦礫に潰され、レクイエム達はその場で倒れる。

(ゼロ>(レクイエム!)
(零焔>テメェ・・・何汚ぇ攻撃してんだぁ!

レクイエムは飛び起き、デスロードに駆け寄る。
デスロードは青い炎の塊となっていた。

(???>あの者達は、どうで御座るか!?

レクイエムが振り向くと、非難しているアックス達が見えた。

(レクイエム>平気みたい。 でもどうして!?
(???>あの者の望みを果たしたかっただけで御座る。
(レクイエム>だって・・・
(???>本当の望みは、2人で決着をつける事だったで御座る。
     拙者が幾ら空手を練習しても果たせなかった筈・・・
     生きていれば、いつかは決着がつくで御座ろう。
(レクイエム>それで貴方は消えるの!?
(???>・・・仕方ないで御座る。

ブレイズとヘイトは激闘を繰り広げていた。

(ゼロ>(おいブレイズ! あのデスロード消えるぞ!
     何とかならねぇのか!?)
(零焔>バカ野郎! こっちに集中しろ!
(ヘイト>潰れろぉ!

(レクイエム>・・・ちょっと待ってよ、消える事ないでしょ!?
(???>・・・無理を言われても困るで御座る。
(レクイエム>でもダメよ!
(???>何故で御座るか? 拙者等の事が嫌いなら、いいで御座ろう?
(レクイエム>そうよ! 大ッ嫌いよ!
       私はね・・・貴方達が時の運行を変えた所為で、
       消滅した未来にいたの!
       私のいた世界はもう、何処にもない・・・
       だから貴方達デスロードは、
       皆消えてしまえばいいって思ってるわ!
(???>・・・
(零焔>・・・
(レクイエム>私がちょっと待ちなさいって言ってるのよ!
       待ちなさいよ!
(???>・・・でも、どうやってで御座るか?
(ゼロ>(え〜と・・・俺の中に入ったらどうだ?)
(零焔>何だと!?


フリーズが飲んでいたカルピスを吹き出す。

(フリーズ>えぇ!?


(???>何・・・?
(ゼロ>(俺の中に入ったら大丈夫じゃないか?)
(零焔>何言ってやがんだゼロ! もう満員だ!
(ヘイト>お前等何をゴチャゴチャ言っている!
(???>あの者に?

レクイエムは消えかけているデスロードに拳を入れる。

(???>何するで御座るか!?
(レクイエム>自分でもわからないのよ!
(零焔>あぁ〜もうめんどくせぇ!
    おい! こっちにくるか!
    そのクソ女に潰されるか!
    ハッキリ決めろ!
(???>・・・クソ?
(レクイエム>何よ!

レクイエムの拳がデスロードの体を砕く。
中から発光体が現れ、ゼロの中に入り込む。

(???>(本当にいいで御座るか?)
(ゼロ>あぁ。 絶対一緒に戦えるよ!
(???>(忝い!)

ゼロはベルトの緑色のボタンを押す。
すると、今までとは違うメロディが響く。

※3番目のメロディです。 それ聞いたら止めといて下さい。


そしてゼロ・クロウ-ライトをベルトに通すと、
『ストーム・フォーム!』の音声が流れ、全身に緑色のスパークが走る。
ゼロの瞳が緑色になり、口を布で覆う。
周りにまだ青い木の葉が舞う。

(ヘイト>裏切り者めぇ・・・

ゼロは元に戻った七つ道具から金槌を取り出し、
巨大な鉞に変化させた。

(零嵐>・・・拙者の風に汝が負けた、で御座る。
(ヘイト>・・・誰が負けるかぁ!

ヘイトは鉄球を振り降ろすが、ゼロはそれを回避しつつ、
鉞を鉄球に向けて確実に攻撃を加える。
そして鉄球を防いだ時、鉄球は大破した。
その後、ゼロは鉞でヘイトを断つ。
灼熱之刀でも歯が立たなかった丈夫なローブも、既に傷だらけである。
ゼロは左手をベルトに通す。
『フル・チャージ!』という音声が流れ、ゼロは鉞を上空に投げる。
ゼロは高くジャンプし、鉞を持つと縦に高速回転し、
ヘイトを縦に断ち切る。

(ヘイト>グアァァァァ!

ヘイトは縦に両断され、大爆発を起こした。

(零嵐>・・・金剛道断。
(ゼロ>(後で言うのかよ。)


(ブレイズ>あの野郎〜! かっこつけやがってぇ〜!
(フリーズ>けど、楽出来ていいかもね。
(セイバー>暴走してますよ!
(ブレイズ>俺にやらせろぉ!


ヘイトの体が青く燃え、巨大なワニのような姿、
アニマルイン・アーマーンとなった。

(レクイエム>感情が暴走したわ!
(ゼロ>(ゼロダッシャーを使え!)
(零嵐>ゼロダッシャー?

その時、ゼロダッシャー・シェンウーが走ってきた。
零嵐はそれに搭乗する。
アーマーンは前足で地面を抉り、岩をぶつけようとするが、何とか回避する。
それでもアーマーンは岩を飛ばす。
そして、前方が封鎖されてしまった。

(ゼロ>(危ない!)

その直後、前方の岩が破壊され、
解放音と同じメロディを鳴らしながら緑色の電気機関車が走ってきた。
ゼロダッシャー・バイフーである。
バイフーはシェンウーと連結した。

(零嵐>どのボタンで御座ろうか・・・

ゼロは適当にボタンを押すと、バイフーの車両の前方と左右から、
プロペラの様なものが、前方に1つ、左右に3つずつ飛び出した。
そして、シェンウーからは大砲、ミサイル、ガトリング、機関銃が飛び出す。

(ゼロ>(何でもいいから撃て!)
(零嵐>せっかちで御座るな。

ゼロはボタンを押すと、シェンウーの全ての武器が一斉放火する。
それでもアーマーンはひるまない。
ゼロはアーマーンの周りをグルグル回り、
プロペラで切り刻んでゆく。
そしていったん離れ、前方の縦周りのプロペラを巨大化させ、
アーマーンの体を一刀両断した。
アーマーンは大爆発を起こし、ゼロダッシャーは現代へと戻っていった。




あるスポーツジム―――

(ヤイバ>アックス、まだいける! 頑張れ!

そこにはアックスとヤイバの姿があった。
彼等はもう一度決勝戦をする為、
ここで共に体を鍛えているのだった。

(アックス>ハァ・・・ハァ・・・
(ヤイバ>・・・よくやった!




ゼロダッシャー食堂車内―――

緑色のデスロードが真ん中に立っている。
良く見れば、ブレイズやフリーズと比べて少し大きい。
ブレイズはふてくされたような声で話し掛ける。

(ブレイズ>ったく、狭くなっちまったな、ここも。
(フリーズ>しかし、どんな心境だったんだ? それ。
(セイバー>・・・“嵐”でしょうか? ストームっていうのはどうでしょう?
(ブレイズ>ほぉ〜。 風トカゲ、テメェはストームだ。

ストームは名前を決められても、ただ黙っていた。
ゼロはもう一人黙って座っている、レクイエムを見てさっきの事を考えていた。

(ゼロ>(消滅した未来・・・レクイエムが何故・・・?)

その時、ゼロの肩を叩く者が。
驚いて振りかえると、それはオーナーだった。

(オーナー>・・・彼女は特異点でしたから。

ゼロは再び驚いてレクイエムを見る。
驚いても倒れなくなったのは成長したからだろうか。

(オーナー>どんな時間への干渉も・・・彼女の存在に影響しません。
      『不死身』という意味とは違いますが。
(ゼロ>・・・レクイエムが・・・
(オーナー>今ここが・・・彼女の時間です。
      それでいいのです。
(ゼロ>・・・じゃあ俺も―――
(オーナー>では皆さん、新しい乗客を向かえた意味で、
      特製旗付きプリンをご馳走いたします!
(セイバー>ジャ〜ン♪
(ブレイズ>おっしゃー! プリンだプリンだ!






今日も何処かで、口に緑の布を覆った男が、忍者のように飛び回っている。

(零嵐>・・・拙者の風には、負けるで御座る










〜続く〜










〜予告〜

(少女>早乙女レイ! ジュニアモデルのトップクラスじゃん!

(レイ>貴方が・・・カスミ草の人だったのね。

(レクイエム>もしかして・・・デスロードの仕業・・・

(レイ>お父さん、きっと私の事憎んでるわ。

(ストーム>大船に乗ったつもりで待っておくで御座る。



決闘ライダー零王〜第11話:激走・幻想・カスミ草〜











・ストーム
アックスに憑依したデスロード。
アックスの描く“嵐”と“強い龍”から生まれたらしい。
速さの事を“風”と称し、己が最速の持ち主だと思っている。
“もう一度空手をしたい”という願いを叶えるべく空手の練習をするが、
空手がどんなものか分からず、最終的に忍者のような形になってしまった。
契約完了後、過去でアックス達を救い一度消えかけたが、ゼロに身を委ねる。
ブレイズやフリーズと似たような姿をするが、少し体が大きい。


・アックス
空手家だったが、病気で引退。
24歳。
決勝戦の時に闘えなかったヤイバともう一度闘いたかった為、
ストームと契約を結ぶ。


・ヤイバ
空手家で、アックスの決勝戦の時の相手。
24歳。
病気に倒れたアックスと決着をつけたかった為、
ヘイトと契約を交わす。


・ヘイト
デスロードの一人。
ヤイバの“自分を誤魔化していた憎しみ”の心から生まれた。
『空手のトップになりたい』という願いを、
『対戦相手を闘えなくする』と勝手に解釈し、空手家を襲う。
鉄のように丈夫な灰色のローブが特徴。
鉄球を用いた接近戦が得意で、鉄球から光弾も放てる。
ストームに敗れた後、感情が暴走。


・アーマーン
デスロードの感情が暴走する時になる姿・アニマルインの一種。
一見巨大なワニの姿で、怪力を武器とし、陸上での戦いを好む。
口から火球を放てるが、あまり使用しない。


・零嵐
ゼロにストームが憑依した状態。
口に布を覆っていて、瞳は緑色になる。
セリフは零嵐と表記されるが、文章上はストームが話している。


・零王ストーム・フォーム
ゼロが零王の『緑の力』を解放した時、ストームが憑依した状態。
主に脚力に優れている。


・ゼロダッシャーバイフー
ストーム専用のゼロダッシャーで、電気機関車型。
車両の前方に1枚、左右に3枚ずつプロペラが展開する。
プロペラで相手を切り刻む接近戦を得意としている。


・旋風之鉞(センプウノマサカリ)
ストーム・フォームの専用武器。
巨大で威力も大きいが、とても軽く振りまわしやすい。
ゼロ・エネルギーをフル・チャージする事で、空中に放り投げ、
回転して相手を両断する『金剛道断』を使用できる。

まだ夜か朝かもわからない時刻・・・
道着をきた男性が、トレーニングをしている。
その直後、男性を襲う影が・・・


偶然その近くで自転車で散歩をしていたゼロ。
横からその男性が飛んできて、ゼロは自転車と共に転倒、
草の中に入り込んでしまった。
ゼロが起き上がった時、向こうから男が歩いてくるのが見えた。
砂を流しながら・・・

(ゼロ>(デ、デスロード・・・!)

男は自転車を起こした。
が、ブレイズがゼロに憑依し、デスロードが憑いた男に話し掛ける。

(零焔>おい。 何してくれてんだよ!

男はブレイズを睨む。

(零焔>俺、炎上!
(???>・・・む?
(零焔>折角鉢合わせしたんだ。 やろうぜ!
    テメェちっとは強そうじゃねぇか。
(???>まだ日は出ていない。 帰って寝ていた方が良いで御座る。

男は起こした自転車をブレイズに渡し、その場を去ろうとする。

(零焔>お、おぅ・・・ってやろうぜって言ってんだよ!

ブレイズは殴りかかろうとするが、男は跳び上がり、
人差し指のみで腕の上に逆立ちする。

(零焔>んぅ・・!?
(???>力任せなだけでは拙者には勝てぬ。
(零焔>何だと・・・!
(???>勝負の決め手は幾つかあるが・・・
     拙者の風には、負けるで御座る!
(零焔>・・・ハァ?

男は再び跳び上がり、ブレイズを蹴り飛ばした。
ブレイズは草の中へ。

(???>涙は風で飛ばすで御座る・・・

男はそう言い残し、その場を去った。

(零焔>待てこの野郎! 誰が涙なんか流すか!
(ゼロ>(いったぁぁぁぁぁ!)
(零焔>泣くなぁ!


あの後、男は少し離れたところで瞑想を行っていた。
強い風が吹き、木の葉が舞う。
男はいきなり目を開き、向かってくる木の葉を避けている。
が、1枚だけ当たってしまった。

(???>・・・まだまだ修行が足りないで御座るな。

闇の中で、瞳が緑に輝くように見えた。




時の汽車『ゼロダッシャー』、次の駅は、過去か、未来か―――





決闘ライダー零王〜第9話:拙者の風に汝が負けた〜




ゼロダッシャー食堂車内―――
カルピスを飲んでいるブレイズに、フリーズがちょっかいをかける。

(ブレイズ>なんだこの野郎!
(フリーズ>蹴り飛ばされてそのままなんてねぇ。
      僕なら恥ずかしくて死んでしまうね。
(ブレイズ>うるせぇ! 油断してたんだよ!
(レクイエム>・・・もう契約して、デスロードが動いてるって事?
(ゼロ>あぁ。 契約の内容はわからねぇが。

セイバーが受話器をとり、放送をする。

(セイバー>間も無くトンネルに入ります。
      乗客の皆さん、お気をつけ下さい。

(ゼロ>・・・トンネル?
(ブレイズ>喧嘩売ってんのかコラァ!?

その数秒後、予告どおりゼロダッシャーはトンネルに入った。
そして車内が暗くなったかと思うと、赤く暗い電灯がつく。
ゼロが振りかえると、オーナーがいた。

(ゼロ>うわぁ!?
(オーナー>驚きましたか?
      時間にも、こういう“狭間”があるんです。
(ゼロ>い、いや、トンネルには驚かなかったが・・・
(ブレイズ>ふぅ〜・・・ん!? テメェ!
      俺のカルピス飲みやがったな!?
(フリーズ>な、何を証拠に?
(ブレイズ>この口の周りのクリームはなんだよ!
(フリーズ>元々こんな口なんだよ。
(ブレイズ>この口が飲んだのか!

今日はオーナーが食べているのはプリンだ。
そのプリンを食べながら、ゼロに話し掛ける。

(オーナー>ゼロ殿。 貴方は過去から物を持ち出しましたね?

ゼロの脳裏に浮かんだのは、カツヤとマイの1件の時だ。

(ゼロ>あ・・・すまねぇ。
(オーナー>まぁ、その程度で時の運行は変わりませんが。
      人の力で簡単に変えられるものでは無いんですから。
      ただその分、一旦時の運行が変わったら・・・
      その衝撃は途轍もなく大きい・・・
      それを知っておいて欲しいんです。

オーナーが話し終わった後、レクイエムが暗い顔をする。
そして、プリンの旗が倒れる。
オーナーはナプキンをとり、食堂車を出た。
それと同時に、ゼロダッシャーはトンネルを出て、明るくなる。

(フリーズ>しつこいなぁ・・・!

フリーズは逃げまわる。
ブレイズはフリーズを追いかけていたが、
レクイエムのパンチをモロに喰らった。

(フリーズ>ハハハ、お見事。 レクイエムさん凄いね。
(レクイエム>ゼロ、オーナーの言う通りよ。
       時の運行を守る為にも、デスロードを探さなきゃ!
(ゼロ>あぁ・・・俺の友人が記者をやってるんだが、
    不思議な事件専門だから、なんか情報持ってるかも知れん。
(レクイエム>すぐ行きましょう。 ここ、デスロード臭いし!

レクイエムはわざとブレイズを踏みつけ、食堂車を出る。

(ブレイズ>っくぁ〜〜! あのクソ女ぁ!
(ゼロ>(・・・レクイエムって、本当にデスロードが嫌いだな・・・)



『ZTR』―――
ルイは望遠鏡を覗いて遊んでいる。

(キル>ルイはん、ゼロの診察の件やけど―――
(ルイ>あぁ、有難う。
(キル>え〜とやね、催眠療法なんか試しに―――
(ゼロ>ただいま。
(ルイ>おかえり〜。
(レクイエム>こんにちは。
(ルイ>あら・・・レクイエムさん!


(ルイ>はい、レクイエムさんには『ゼロ・カクテル』。
    お兄ちゃんには『アスパラジュース』。
    今朝半分残したでしょ!
    ちゃんと飲んでよね!

(ゼロ>え・・・あ・・・あぁ・・・

ゼロはルイにもらったカルピスとアスパラジュースを受け取り、
自分の席へ行き、レクイエムにカルピスを渡す。

(ゼロ>俺の妹、健康食に凝っててな。
(レクイエム>・・・ゼロの事が心配なのよ。
(ゼロ>うん・・・まぁ。
(レクイエム>でもいいわね、そういうの。
(ゼロ>そういや、レクイエムの家族って―――
(キル>ゼロの新しい友達か?

ゼロの後ろから、いきなりキルが現れた。

(ゼロ>うわっ!? ・・・あ、あぁ。
(キル>ど〜も、ゼロの友人でスーパーカウンセラーのキル―――
(ダーク>こんにちは〜ルイさん!

そこへダークが店に入ってきた。

(ルイ>いらっしゃいませ。
(ダーク>いつもので! お〜ゼロ・・・彼女連れ!?

ダークはキルを押しのける。

(ダーク>流石ゼロ、レベル高いな・・・
(ゼロ>・・・ダーク、ちょっと聞きたい事が―――
(ダーク>あれ? 何処か出会ったような・・・
     何て言うのはありがちなナンパかw

ダークは一旦ルイに目をやり、咳払いをしてネクタイを整える。

(ダーク>失礼、キマイラ・ダークっていうんだ。
     雑誌の記者をやっている。 よろしく。
(レクイエム>・・・レクイエムよ、よろしく。
(ゼロ>ダーク、それで―――
(ダーク>いや〜、怪人に襲われる事件やってるんだけどよ。
     レクイエムは興味あるかな?

ダークは鞄から茶封筒を取り出す。
そして、その中から資料を出し、ゼロとレクイエムに見せた。

(ダーク>襲われた奴が、全員空手の大会の出場者だっていう共通点がある。

ダークは資料を一枚一枚見せていく。
その中の一枚にゼロが反応した。

(ゼロ>おい、こいつ! あの時の・・・

あの時、ブレイズの憑依したゼロを蹴り飛ばした男だ。

(ダーク>あぁ、ヘラクレス・アックスか。
     『天才』って言われてたんだが、
     去年の決勝戦の時に病気で倒れて、引退しちまったんだ。





ある空手の練習所・・・
威勢のいい声が外にまで聞こえる。
そこへ、勢いよくドアを開けて現れた男がいた。
ヘラクレス・アックスだ。
男達はアックスを睨む。

(斧嵐>空手の相手をしてもらいたいで御座る。
(主将>道場破りか。 上等だ!

男は拳を喰らわせようとするが、
アックスはその俊敏な動きで回避する。
そして一人1発蹴りを喰らわせ、全員を倒した。
主将と思わしき者の拳がかすってしまっただけで、ほぼ無傷。

(斧嵐>・・・この程度の速さでは、蝸牛にも勝てぬで御座る。

アックスは道場を去った。



(レクイエム>デスロードはこのアックスって人に憑いているのは、間違いないわね。
(ブレイズ>(よしゼロ! さっさと借りを返しに行こうぜ!)
(ゼロ>待て。 デスロードが襲ってるのは、
    去年の空手の大会で成績の良かった奴なんだよな。
    つまり・・・
(レクイエム>まだ襲われてない人を見張れば、デスロードは来る。
(ゼロ>残っているのはヤイバって奴だ。
    アックスとの決勝戦で不戦勝で優勝している。




大きな空手道場・・・
ここからも威勢のいい声が聞こえてくる。
そしてその中に、テレビカメラに囲まれてインタビューされている男がいた。
彼の名は、、ホウオウ・ヤイバ。

(女性>ヤイバ君、今年の大会の自信は?
(ヤイバ>自信がないクセに出場する馬鹿はいないんじゃないか?
     ここは常に万全だ。

(女性>今年は本当の意味で優勝できそうだね。
    去年の決勝戦はライバルのアックス君が残念な事になって、
    自動的な優勝だったし。
(ヤイバ>・・・決勝で闘ってれば、アックスに勝つつもりだ。

そういった後、ヤイバは練習している男達に喝を入れる。
そこへ、ドア越しにゼロとレクイエムがやってきた。

(レクイエム>あの人がヤイバ?
(ゼロ>・・・あぁ、間違いない。

その後、レクイエムが下に目をやると、灰が溜まっているのに気がついた。

(レクイエム>ッ! この中に―――
(男A>おい。

ゼロとレクイエムは呼ばれた方を向く。
男2人がこちらを見て言っているようだ。
というより、見つかってしまったようだ。

(男A>そんなところで何をしている?



(男B>最近襲われた奴等のリストだな。
    お前等の仕業か!?
(ゼロ>違う! ちょっと調べてただけだ。
(男C>副部長、こんなヒョロい奴じゃ無理ですよ。
(副部長>空手は技術だ。 見た目では分からんぞ。
     うちの部長を見てみろ。

部長ヤイバはずっとリストを見ている。
レクイエムは部員を見回す。

(レクイエム>(どこに契約者が・・・)
(副部長>部長、どうします?
(ヤイバ>・・・お前達に任せる。

ヤイバはリストを副部長に渡し、道場を出た。


出た先の廊下で、ヤイバはこんな事を考えていた。

(ヤイバ>(もしかして・・・あいつが本当に・・・)

ヤイバの歩いた跡には、灰が溜まっていた。



(副部長>稽古つけてやる。 うちの流儀でな!
(部員>押忍!

レクイエムはゼロの耳元で囁く。

(レクイエム>{ゼロ、ブレイズに代わって。}
(ゼロ>{え?}
(レクイエム>{ブレイズなら契約者を見つけられるわ。}

その直後、ゼロは道着をぶつけられる。

(男C>着替えろ。

ゼロは『もう終わったな』というような顔をした。




道場の屋上―――

(副部長>うちの名物、“一人総掛かり”だ! 始めろ!
(部員>オッス!
(ゼロ>{ブレイズ、やり過ぎるなよ。}

全員が身構える。
しかし、ブレイズは出てこない。

(ゼロ>{ブレイズ? おい、ブレイズ!}
(男C>はぁ!
(ゼロ>俺炎上!

といいながらゼロは後ろに倒れた。

(レクイエム>ッ! ゼロのまま・・・!?
(男C>・・・何が炎上したって?
(ゼロ>・・・さぁ?
(男C>行くぜ!
(ゼロ>ギャアアアアア!

ゼロは猛ダッシュで階段を駆け下り、逃げる。

(部員>待てぇ!
(レクイエム>もう、あのバカトカゲ何やってるのよ!
       いつもならすぐ出てくるくせに!

レクイエムはケータイを取り出し、ゼロダッシャー食堂車にかける。

ブレイズは口にクリームをつけてグッスリ眠っている。
ゼロダッシャーは今トンネルの中を走っていて、電波が繋がらない。


(レクイエム>・・・トンネルだ。


とうとう追い詰められたゼロ。

(男D>逃げるのもいい加減にしろ!
(ゼロ>ク・・・
(レクイエム>まずい、ゼロォ!
(ゼロ>放せェ!

ゼロは男を弾き飛ばす。
男は空高く跳び、バックネットの上へ。

(男D>・・・おあ!?
(ゼロ>・・・へ?

全員、その光景を唖然とみている。

(男D>こ、こいつ!

男が降りた瞬間、全員ゼロを襲おうとするが、レクイエムが乱入する。

(レクイエム>やめなさい!
       一人に大勢でかかるなんて卑怯じゃない!
(男C>お前等が原因だろ! どいてろ!
(レクイエム>ハァ!
(ゼロ>レクイエム!

ゼロはやめるべくレクイエムを呼びとめたが、遅かった。
レクイエムは全員蹴り上げ、殴り、ひるませる。
その隙を狙い、ゼロの手を引いて遠くまで逃げた。


(レクイエム>ハァ・・・流石、ゼロの運の悪さってとこかな?w
(ゼロ>すまねぇ・・・あ、血。

レクイエムは口から出た血を拭う。

(ゼロ>俺が守らなきゃなんねぇのに・・・すまねぇ。
(レクイエム>・・・ゼロを守るのが、私の役目よ。
       貴方には『零王』っていう大事な仕事があるから。
       デスロードと闘ってくれさえすれば、それでいいの。
       時の運行は、絶対に守らなきゃならないから。
       ・・・そういえばさっきゼロ、何かしたの?
       一人ふっ飛ばしてたけど。
(ゼロ>・・・俺もよくわかんねぇ。 偶然当たったのかな?
(レクイエム>じゃあ、ゼロも強くなってるってことかしら?
(ゼロ>だったらいいが・・・どうだろ?

レクイエムは微笑みかける。

(ゼロ>・・・前から思ってたんだが・・・
    レクイエムは何故デスロードと闘ってるんだ?
    レクイエムも未来の人なのか?
(レクイエム>私は・・・何処の時間の人間でもない。
(ゼロ>・・・どういう事だ?

レクイエムは話を続けようとしたが、正面を見て話を止めた。
川の向こうにアックスが歩いていたのだ。
ゼロとレクイエムはアックスを追いかける。

(ゼロ>待て!
(斧嵐>・・・汝は昨日の?
(ゼロ>また誰かを襲いに行くのか?
(斧嵐>人聞きの悪い・・・空手の練習で御座る。
(レクイエム>何処が空手よ! デスロードの力を一方的に使って、
       通り魔みたいなものじゃない!
(斧嵐>誰がそのような卑怯な真似―――

ゼロはベルトを構える。

(斧嵐>・・・もしや、零王で御座るか?
    さすればその強さ、見てみたいもので御座るな。

アックスは物凄い速さでゼロに接近し、フェンスに向けて蹴飛ばした。

(レクイエム>ゼロ!


丁度その頃、ゼロダッシャーはトンネルを抜けたところだった。


ゼロにブレイズが憑依する。

(零焔>俺、炎上!
(斧嵐>・・・む?
(ゼロ>(ブレイズ・・・!)
(零焔>どうだ? 最高にカッコいいタイミングだろ!
(レクイエム>何処が。

アックスはゼロに跳びかかるが、ブレイズはそれを回避。
アックスはそのまま着地した。

(零焔>おい! 昨日は油断したが、今日はそうは行かねぇぜ!
    どうする? このままやり合うか、解放するか、選ばせてやるぜ。
(斧嵐>昨日で汝自信の強さは見切ったで御座る。
    解放してもらうで御座る!

アックスからデスロードが現れ、アックスが倒れる。
そのデスロードは、緑色のトカゲのようだ。

(零焔>・・・えらく小せぇな。
(???>見た目ではわからぬ事もあるで御座ろう?
     早く解放してもらおうか。
(零焔>チィ! わかったよ! 解放!

ブレイズ・フォーム!

全身に赤いスパークが走る。

(零焔>俺、炎上!

ブレイズはデスロードに向かっていくが、
ストームの俊敏さに翻弄される。

(零焔>くぅ・・・この野郎!
(???>・・・フン・・・




ヤイバが一人家路を行く。
彼はこんな事を思い出していた。
灰が青い炎の塊になる光景を・・・

―――――――

(???>お前の望みを言え・・・

―――――――

(ヤイバ>(もしあの怪人が大会に出ている人間を襲っているとすれば・・・)

そしてその傍で、道着をきた男が飛ばされてきた。
その後、灰色のローブをきて、鉄球を持った者・・・デスロードが現れた。
デスロードはヤイバに話しかけた。

(ヘイト>お前の望みは叶う。 このヘイトの名にかけて・・・
     もうすぐお前より強い人間はいなくなる。
     過去に繋がる準備をしていろ。


ヘイトはその場を去った。

(ヤイバ>俺は・・・俺はそんな事望んでない!
     俺はただ・・・





場所は河原に移ったが、尚も闘い続けているブレイズ。
息切れずに回避し続けるデスロードに大苦戦。
とうとう相手は巨大な鉞まで用意し、ブレイズを断つ。
小柄なその体から、どれだけの力が出されているのか・・・

(零焔>ゴアァ! ・・・ヘッ、なかなかやるじゃねぇか。
    だが涙は出ねぇな!
(ゼロ>(あまり近づくと危ないぞ!)
(零焔>まぁ見てろって!

デスロードは近づいてくるブレイズを断ち切ろうとする。
が、ブレイズは飛んで避け、近くの橋に上った。

(零焔>行くぜ! 俺の究極技#3!

フル・チャージ!

灼熱之刀の刃が飛び、デスロードに向かう。
同時にデスロードは鉞をブレイズに向けて投げる。
それらは同時に目標にぶつかり、ブレイズの憑依は解けてしまった。


(ブレイズ>グハァ!
(フリーズ>・・・これはかなりやばいんじゃない?
(セイバー>・・・やばいと思います。
(ブレイズ>くっそぉ・・・

ブレイズはかなりのダメージを負ったらしく、もがいていた。


ダメージを受けたのはブレイズだけでなく、ゼロもだ。

(レクイエム>ゼロォ!

倒れているゼロにレクイエムが駆け寄る。
そして、近づいてくるデスロードからゼロをかばうように構える。

(???>女子を傷つけては拙者の名が汚れる。 どくで御座る。
(レクイエム>そういう訳にはいかないのよ。
       貴方達デスロードなんかに、零王は殺させないわ!
       絶対に!
(???>・・・
(ゼロ>レクイエム・・・逃げろ・・・

ゼロはふらつきながら立ち上がる。

(ゼロ>来い、フリーズ・・・

フリーズ・フォーム!

今度は全身に青いスパークが走り、フリーズが憑依する。
その後、フリーズは土を払いながら文句を言う。

(零氷>あまりピンチな時は呼んで欲しくないんだけどね。
    ま、しょうがないな。
(???>まだ入っていたで御座るか?

フリーズは七つ道具のドライバーを凍結之杖に変える。

(零氷>折角だから・・・君、僕に凍てつかされてみる?

そこへ、アックスがふらつきながら歩いてきた。
それを、ヘイトが狙って鉄球を構えて向かう。

(レクイエム>デスロードがもう一体!?
(ヘイト>ハァァァ!
(アックス>うわぁぁぁぁ!

ヘイトが殴りかかろうとした時、アックスのデスロードがそれをかばい、
ヘイトに2回蹴りを入れた。

(???>何をするつもりで御座るか?
(ヘイト>俺の契約者の願いを叶える為に必要なんだよ!
     そいつが最後だ。

(???>・・・
(零氷>・・・何、このゴタゴタ?
(ゼロ>(とにかく助けろ!)
(零氷>はいはい。

フリーズは凍結之杖の先端を伸ばす。
が、ヘイトはそれを跳ね返す。

(ヘイト>特異点か・・・面倒だな!

ヘイトは近くの川へ逃げ込んだ。
そこへ、ゼロダッシャーチンロンが停車し、レドームが分離した。

(零氷>逃がさないよ。

フリーズはレドームに乗り、デスロード散策を開始した。
すぐにヘイトを見つけ、冷凍ビームを照射するがなかなか当たらず、
遂に深くへ潜られてしまった。

(零氷>・・・“分からぬ問は放っておく”、だね。

フリーズはベルトを外し、ゼロから離れる。
その直後、ゼロは倒れてしまった。
レクイエムは、またゼロに駆け寄る。
その後、あのデスロードに目をやると、
デスロードはアックスを持ち上げ、帰っていった。
何故デスロードのくせに、こんなに優しいのか。
レクイエムの心はそんな思いでいっぱいだった。








〜続く〜










〜予告〜

(レクイエム>私はね・・・消滅した未来にいたの!
       私の居場所は・・・何処にもない・・・

(ゼロ>(ブレイズ! あのデスロード消えるぞ!
     何とかなんないのか!?)

(???>拙者の強さに、汝が負けた、で御座る。





決闘ライダー零王〜第10話:特異点の鎮魂歌〜




(レクイエム>大丈夫!?

レクイエムに心配されながら、
ゼロダッシャーの食堂車に運び込まれたのはゼロだった。
尤も、今はブレイズが憑依しているのだが。
彼等は空飛ぶデスロード・リメンバーに、こっ酷く負けてしまったのだった。

(零焔>大した事ねぇよ!
(レクイエム>貴方じゃないわよ!

その直後、ゼロの中からブレイズが飛び出す。
飛び出した拍子に足が壁に強くぶつかる。

(ブレイズ>あったたたたたた!
(フリーズ>あ、炎が消えかけてるw
(ブレイズ>うるせぇ! あの死神野郎ォ!

ブレイズは机を叩いたが、『痛い』と叫んだ。





時の汽車“ゼロダッシャー”、次の駅は、“過去”か、“未来”か―――




決闘ライダー零王〜第8話:哀メロディ・愛メモリー〜





(レクイエム>大丈夫、ゼロ・・・?

レクイエムはゼロの右足に包帯を巻いている。
ゼロは痛そうな顔をしながら首を縦に振る。

(フリーズ>あのデスロード、少し怖すぎだね。
      “探偵、事件に近寄らず”。
(ブレイズ>誰もテメェにやれなんて言ってねぇ!
      氷なら氷らしく水に浮かんでろ!
(フリーズ>・・・。

フリーズは手元にあった包帯のケースを投げる。
それは丁度ブレイズの痛い足に命中する。

(ブレイズ>あいた! この!
(レクイエム>貴方達、やめなさい!
(ゼロ>・・・俺行かなきゃ。

ゼロは立ち上がるが、レクイエムは引き止める。

(レクイエム>ダメよ! その足じゃ!
(ゼロ>けど、早くデスロード倒してマイさんを店に連れてかなきゃ・・・
(フリーズ>マイさんか、だったら僕の出番かな?

レクイエムはフリーズを殴る。

(レクイエム>ゼロ、私が行くわ。
       まずはデスロードとどんな契約をしたか聞かなきゃ。
(ゼロ>・・・レクイエムだと・・・
(レクイエム>・・・何?
(ゼロ>マイさんと喧嘩するかも知れない

絶句するレクイエムだった。




(カツヤ>遅ぇ!

『ZTR』では、カツヤがライターをカチカチ鳴らしている。
ゼロに元婚約者のマイを連れてくるように言ったのだが、
どうやらかなり待ちくたびれているようだ。

(ルイ>うちのお兄ちゃん、人の倍時間かかるの。
    目的地に真っ直ぐ行ける事が少ないから。

(カツヤ>何だと!?
(ダーク>ゼ、ゼロの運の悪さはギネス級だからな!
(カツヤ>訳わかんねぇ事言うな!
(キル>あ、あんまドタバタ動いたら柱が・・・

キルはカツヤに切られそうになった柱を支えている。
が、それでもカツヤは落ち着けないようだ。




ゼロは足を引きずりながらもマイを探していた。

(ゼロ>まずマイさんから契約の事を聞いて、
    デスロードを倒したら、マイさんを・・・いや、
    先にルイの店に・・・マイさん!

ゼロの目の前に、アパートに戻ろうとしているマイがいた。

(マイ>どうしたの?w
(ゼロ>すみません、ちょっと聞きたい事が・・・
(マイ>何?
(ゼロ>デスロード―――怪物に何望んだか教えてくれませんか?
(マイ>・・・知ってるの?
(ゼロ>今あちこちで人が襲われてて・・・早く止めねぇとまた―――
(マイ>ちょっと、待ってよ、私そんな事頼んでない!

マイはアパートの階段を上る。

(ゼロ>デスロードは勝手なルールで願いを叶えるんだ!
    音が関係しているみたいなんだが・・・
(マイ>音・・・?

マイは深刻な顔をするが、すぐに否定的になった。

(マイ>ちょっと、やめてよ嘘ばっかり!
(ゼロ>マイさん!

マイは自分の部屋の前に差しかかった時、デスロードの事を思い出した。
彼女は階段を下り、一度来た道を走っていった。

(ゼロ>マイさん!
(フリーズ>(ゼロ、怖がらせてどうするの?)
(ゼロ>すまねぇ、少し焦ってて・・・
(フリーズ>(フフ、情報を聞き出すのなら・・・)

フリーズはゼロに憑依する。

(零氷>僕に任せて欲しいな。




マイは海の見える公園で、海を眺めていた。

(マイ>一体何が起こってるの・・・?

そこへフリーズがやってきた。

(零氷>マイさん、脅かしてごめん。 昨日言ったよね?
    “僕の言葉は、美しい人を凍てつかせる為にある”。
    マイさんに望みがあるのなら、
    どんなのかって興味があっただけなんだ。

そして何故か観覧者の中に移動。

(零氷>僕になら、話してくれるよね?
(マイ>・・・はい♪

そして時は流れる―――




約10分後・・・

(フリーズ>(っていう事らしいよゼロ。 後は宜しく。)

マイは苛立ちながら早々と歩く。
ゼロは足を引きずりながら追いかける。

(ゼロ>マ、マイさん、待って・・・ォワァ!?

ゼロは階段から落ちた。




フリーズは食堂車に帰ってきた。
今日も乗客が沢山乗っている。

(フリーズ>セイバー君、カルピス。
(セイバー>は〜い。
(レクイエム>彼女の望み、何だったの?
(フリーズ>ゼロに聞いてよ。 氷を少しずつ溶かすのは面倒くさい・・・
(レクイエム>・・・貴方ねぇ!
(フリーズ>可愛くないよ。
(ブレイズ>こういう奴何だよ! この氷野郎は!
      一度しめとく必要があるな!

ブレイズは口から火を吹く。 乗客が叫ぶ。

(フリーズ>止めておいた方がいいよ。
      “水の純度が違う”し。
(ブレイズ>んだそりゃ?
(フリーズ>つまり、僕と先輩の心が綺麗かってこと。
(ブレイズ>それは何か? 俺の方が汚ぇって事か!?
(フリーズ>ハハハw 澄んでは無いよね?
(ブレイズ>ほぉ〜ぉ・・・俺の実力、味あわせてやる!
(フリーズ>やれるものなら、やってみなよ。

セイバーは手を叩く。 レクイエムは呆れて腰を落とす。
ゼロダッシャーが汽笛を鳴らした時が勝負の合図だった。
ブレイズは炎、フリーズは冷気を吐く。
乗客は叫び、喚き、逃げ周るが、そんなのお構い無しに喧嘩する2匹。

(レクイエム>もういい・・・オーナーに追い出されちゃえ・・・



あるマンションの一部屋―――
『春』を聞きながらワインを楽しむ男性がいた。
が、そこへ現れたのが―――

(リメンバー>消去!

あっと言う間にミュージックプレーヤーと男性は消滅してしまった。
そして、リメンバーは空を飛び回っている。
次のターゲットを探して・・・




(マイ>あ〜もう!

マイはまだ怒っている。
ゼロもそれをまだ追いかけている。

(ゼロ>マイさんの望みって、結婚する筈だった人を、
    忘れるって事だったですね。
(マイ>あ〜! 何で話しちゃったんだろ! そんな望み!
(ゼロ>えーと・・・それって城之内カツヤさんの事ですか?
(マイ>何で知ってんの?
(ゼロ>今、うちの店にいるんだ。 実はマイさんを連れてくるようにって、
    その、決着つけるから。

ゼロはかなり息を切らしている。

(マイ>だからって、何であんたのところに?
(ゼロ>俺が、マイさん家から出てくるの見られてて、
    あの、俺マイさんに何もしてねぇよな?
(マイ>当たり前じゃない。 もぅ〜! あいつ相変わらずバカなんだから!
    私行かないから! あんな奴、綺麗さっぱり忘れたいの!
(ゼロ>(契約はわかったが・・・音と関係ねぇよな? これ・・・
     大体、人を忘れたいなんて望みをどうやって・・・?)




カツヤはまだイラついている。
ルイは自分の入れたカルピスを差し出す。

(ルイ>カルピスどうぞ。
(カツヤ>いらねぇ!
(ルイ>イライラ止まっててもなかなか星を動かないわ!
(カツヤ>星?
(ルイ>ゆったり構えていれば、星は自然と巡るの。
    さぁ、どうぞ。 うちのカルピス、いい仕事するわよ?


カツヤはカルピスを飲んだ。
かなりおいしかったらしく、イライラも落ち着いたようだ。
そして、彼は急に話し出した。

(カツヤ>マイの奴、来ねぇつもりかな?

全員がカツヤを見る。

(カツヤ>あいつとは結婚式の日に別れてそのままなんだよ。
     これからって時に、口喧嘩して。 やめときゃいいのに・・・

――――――――

二人は式場から出てきた。
二人とも、首にお揃いのハート型ペンダントをかけている。

(カツヤ>おめぇなんかと結婚したらなぁ、お先真っ暗だよ!

カツヤはペンダントを引きちぎり、道路へ投げた。
マイはカツヤの顔面を殴った。

――――――――

(カツヤ>あいつ気が強ぇから。




(マイ>あいつは最低の男よ!
    あの後謝ってくれば考えてやったのに何にも言ってこないんだから!
    だからもう終わりなの! 決着はついてんのよ!
    早く忘れたいの!

ゼロはマイの話を聞きながら、必死にマイを追いかけていた。




(カツヤ>別れてまだ半年だぞ?
     それでもう忘れたってどう言う事だよ。
     おまけにもう他の男と・・・
(ルイ>好きなんですね、マイさんの事。

カツヤは金槌を取り出す。

(ダーク>あぁ!? ちょっと暴力は!
(キル>落ち着きなはれ!
(カツヤ>傾いてら。
(闇&殺>え?

カツヤは椅子を持ち上げ、足を叩いている。

(カツヤ>俺は大工仕事してると落ち着くんだ。
     黙って待ってりゃ、星は巡ってくるんだろ?

カツヤはルイを見て笑う。
ルイも笑顔で頷いた。





河原の草が生えた道―――
まだゼロはマイを追いかけている。

(マイ>ちょっと、あてすけがましくついてこないでよ!
    無駄だからね! 私絶対行かないから!
(ゼロ>そうじゃなくて・・・ただ、マイさんが忘れたいって言ってるのが、
    気になって・・・
(マイ>・・・え?

マイは立ち止まる。

(ゼロ>本当に忘れてしまいたい物なのか?
    嫌な事があったら、全て・・・
    その方が幸せなのか?
(マイ>・・・当然じゃない!
(ゼロ>本当に!? 本当にそうなのか!?
(マイ>・・・何!? 嫌な事覚えていたい奴なんていないでしょ!?

マイはすぐに歩き出したが、また止まる。

(マイ>・・・ちょっと、ついてくるならもっとガツンとついてきたらどう!?
    そういう遠慮してますっていうのイライラするのよね!
(ゼロ>いや、これは―――痛!

ゼロは思わず叫んだ。
三輪車にぶつかったらしい。

(母>大丈夫ですか!? すみません!

ゼロはバランスを崩し、そのまま草むらを転がっていった。

(ゼロ>大丈夫で〜す。

その後、野球のボールが頭に当たり、謝りにきた。
その後、テニスボールが頭に当たり、謝りにきた。
その後、サッカーボールが頭に当たり、謝りにきた。
最後に、ラグビーボールが頭に当たり、謝りにきた。

(マイ>・・・何これ。 有り得ない

マイはスタスタと歩いていった。
それでもゼロは諦めずに追いかける。

(ゼロ>マイさん、待って・・・
    俺、運は悪い方なんだが、経験的に、
    今日は最悪の部類に入る予感がして、巻き込むと、悪いから、
    アァァァァァ〜!

まだ不運は続いていた。
もたれかかった看板が倒れ、草むらをすべる。
そして、止まったところは国道。
トラックが突っ込んでくるが、間一髪でマイが引っ張る。

(マイ>バカヤロー!
    ・・・何よ! こっちだって好きでやったんじゃないわよ!
(ゼロ>マイさん! すまねぇ、大丈夫か!?
(マイ>こっちのセリフよ!
    本ッ当有り得ない! 早く帰りなさいよ!
(ゼロ>で、でも、マイさんにはデスロードが憑いてるし・・・
(マイ>人の事心配するより、自分の心配しなさいよ! 死ぬわよ!
(ゼロ>・・・そうだ、死ぬ時だって思い出せないんだぞ!
    その人の事忘れたら、凄ぇ楽しかった事も思い出せないんだぞ!?
    そういうのってやっぱ悲しくねぇか!? どう思う!?
(マイ>・・・何よ! あんたも忘れたい事があんの!?
(ゼロ>いや・・・ちょっと・・・うわ!?

なんとそこへデスロード・リメンバーが降り立った。
リメンバーはマイに近づく。

(ゼロ>マイさん逃げろ!

ゼロはベルトを巻こうとしたが、リメンバーに弾き飛ばされてしまった。




まだ喧嘩を続けている2匹のトカゲ。
しかし、どうやら2匹ともゼロに反応したようだ。




リメンバーはゼロを踏みつけ、マイの首を掴む。

(リメンバー>お前の望みは叶えた・・・フン!

リメンバーは杖をマイに向ける。
マイの頭に『春』のメロディが流れる。

(マイ>・・・何で・・・忘れたいって言ったのに・・・これじゃ・・・
(リメンバー>お前の望みが過去へ繋ぐ。

リメンバーはマイの持っているハート型のペンダントを取り出す。
ペンダントから、『春』のオルゴールが聞こえる。
マイの脳裏にこんなイメージが浮かんだ・・・

――――――――

花火が打ち上がるのが窓から見える。
マイとカツヤは美しい花火を見ながら、
ペンダントから聞こえる『春』のメロディを聞いていた。

――――――――

(リメンバー>これが仕上げだ。

リメンバーはマイを地面に投げつける。
手にはペンダントが。

(マイ>返して!

マイはリメンバーからペンダントを取り返そうとするが、弾かれる。
リメンバーはペンダントを投げつけた。

(ゼロ>そうか・・・デスロードは忘れるって望みを、
    勝手に・・・思い出の曲を消すって事にしたのか・・・!

マイはペンダントに手を伸ばす。
が、リメンバーは目の前でペンダントを踏み潰した。
メロディはもう止まっている。

(マイ>・・・忘れたい訳がない・・・
(リメンバー>契約完了

リメンバーはゼロを蹴飛ばし、『過去の扉』を開ける。
ゼロはベルトを巻いたが、リメンバーは攻撃を仕掛けてきた。
しかし、何かが攻撃を遮り、目の前に青い炎が飛び散った。

(ブレイズ>その契約者をどうする気だ!?
(リメンバー>ん!?
(ゼロ>ブレイズ、フリーズ! 一緒に助けに来てくれたのか!
(ブレイズ>誰が『一緒に』だ!
(フリーズ>一緒にされたくないよね。
(ブレイズ>テメェに言われたかねぇ!

そうこうしているうちにリメンバーは過去へ飛んだ。
ゼロはフリーズを崩し、マイに近づいた。

(ゼロ>マイさん! 大丈夫か!?

マイの目から、涙が零れ落ちた。

(ゼロ>・・・ペンダント、ずっと持ってたのか。
    やっぱ、そうだよな。 辛くても、忘れたい訳がない。
    大切な事を忘れてしまうのは、多分凄ぇ辛い。

ゼロはチケットを出し、マイにかざす。
2006年7月24日の日付が浮かんだ。

(ゼロ>・・・待っててくれよ。

ゼロはチケットを右のクロウに入れる。

(ゼロ>・・・解放

ゼロはベルト中央に右掌を通す。

(ブレイズ>(ゼロ、俺で行くだろ!? な!?)
(ゼロ>いや、フリーズで行く。
(ブレイズ>考えがある。

フリーズ・フォーム!

全身に青いスパークが走り、フリーズが憑依する。

(零氷>やっぱり、適した答えを導き出さないとね。

フリーズはゼロダッシャーで2006年7月24日に向かった。





2006年7月24日“仏滅”―――
式場からマイとカツヤが出てきた。
・・・喧嘩しながら。

(マイ>やっぱりあんたと結婚しなきゃ良かった!
(カツヤ>そりゃこっちのセリフだ!
     お前なんかと結婚すりゃな、人生お先真っ暗だ!

カツヤはペンダントを引きちぎり、道路に投げた。
マイは怒ってカツヤの顔面を殴る。

(カツヤ>テメェ何すんだよ!

カツヤとマイは取っ組み合いになる。
式場にいた人々が止めようとするが、皆弾き返される。
その時、マイの体から灰が溢れだし、リメンバーが現れた。
リメンバーは教会に逃げ込んだ人を狙う。

(リメンバー>消去・・・!

そして教会の中から悲鳴が聞こえた・・・
カツヤは逃げようとマイの手を引くが、
いきなり走ってきたゼロダッシャーに二人とも驚き、気絶する。
そこへリメンバーが出てきて、場所を移動しようとしたが、
ゼロ・サイクルで走ってきたフリーズに蹴りを入れられる。

(リメンバー>グアァ!?
(零氷>凍てつかされてみる?

そばで時計を見ている男がいたが、誰も気付かない。



公園に場所を移して戦う二人。
優勢なのはフリーズだ。

(零氷>僕は力任せのブレイズとは違うよ?

フリーズは七つ道具をドライバーにし、リメンバーに投げつける。
跳ね返ってきたところでキャッチし、武器である長い棒に変える。
そして彼の攻撃が始まった。
叩き、突き、防御。 これの繰り返しで、リメンバーは手も足も出ない。
とうとうリメンバーは飛行し出した。
が、フリーズは余裕をかましている。
リメンバーが近づいてきたところをゼロが合図を出す。

(ゼロ>(今だ!)
(零氷>それ!

フリーズは棒を振り上げ、先端の糸を伸ばし、リメンバーを捕獲する。

(零氷>正解!

フリーズはリメンバーを遠くへ飛ばす。
リメンバーは地面にぶつかった衝撃で、持っていた杖を放してしまった。

(零氷>さて、そろそろ―――
(ゼロ>(ブレイズ、代われ!)
(ブレイズ>(待ってたぜ!)
(零氷>えぇ!? そんな!

ゼロは赤いボタンを押そうとするが、フリーズは抵抗する。

(零氷>ちょっと待ってよ・・・! やめてって・・・!
(ブレイズ>(早くしやがれ!
(零氷>・・・あぁ、押しちゃった・・・

ブレイズ・フォーム!

今度は全身に赤いスパークが走り、ブレイズが憑依する。

(零焔>俺、炎上!
(リメンバー>クゥ・・・!
(零焔>氷にばっかいいカッコさせられるかぁ!

ブレイズは元に戻った七つ道具のナイフを刀に変える。

(零焔>行くぜ行くぜ行くぜぇ!

ブレイズはリメンバーを斬り、蹴り、殴り、頭突き、そして斬る。

(リメンバー>グハッ!
(零焔>ハハッ! 楽しー!

ブレイズはまた蹴りを入れ、さらに斬りかかる。

(リメンバー>ガハァ!
(零焔>さっきから密かに温めてた究極技・・・

フル・チャージ!

(零焔>俺の究極技、#3! たぁりゃ!

ブレイズはリメンバーを右からV字に斬り、そして左V字、
トドメに縦に両断する。

(リメンバー>グアァァァァ!

リメンバーは断末魔と共に激しい爆発を起こした。

(零焔>最ッッッ高!

ブレイズはベルトを外し、ゼロから離れる。
ゼロは疲れたのか、その場で寝転ぶ。

(ゼロ>ハァ、ハァ・・・ブレイズ、凄かったな・・・フリーズも・・・

ゼロが手に握っていたのはペンダントだった。
カツヤが道路に投げた後、フリーズにとってもらったのだった。




夕方の『ZTR』。
ドアを開けて入ってきたのはマイだった。

(マイ>・・・カツヤ。
(カツヤ>・・・マイ!?

マイは最初笑顔だったが、すぐに鬼のような形相となり、
カツヤに殴りかかった。

(マイ>あんた何やってんの!
(カツヤ>『あんた何やってんの』ってのぁどういう事だテメェ!?
(ルイ>ちょっと・・・落ち着いて二人とも!

ルイは止めようとするが、一向に止まる気配はない。

(マイ>このスットコドッコイ!

マイはカツヤを突き飛ばす。
が、カツヤは立ち上がってマイに言う。

(カツヤ>・・・どうやら決着つける日がきたな!
(マイ>・・・何よ!

カツヤは皆が爆弾だと思ってた包みを取り出し、マイに投げる。
ルイ・ダーク・キルは叫んで伏せたが、マイは普通に受け取る。

(マイ>・・・何よ、これ・・・

マイは包みを開けようとする。
そこへゼロが帰ってきた。

(ゼロ>あの・・・これ・・・

ゼロは渡そうとしたが、周りの空気を読んだ。
包みの中には箱が入っていた。
マイがその箱を開けると、あのペンダントと同じ型のものが入っていた。

(カツヤ>・・・半年もかかっちまったんだよ。
     新しいの作るのに・・・

マイはその場に座り込んだ。
そして、涙を流しながらこういった。

(マイ>・・・バッカじゃないの・・・

ゼロとルイは笑顔になる。
ダークとキルはかなり疲れきっている。

(カツヤ>・・・バカ野郎。



(ルイ>きっといい夫婦になるよね。 あの二人。
(ゼロ>あぁ。 忘れなくて良かったんだ。
    ・・・ルイも・・・
(ルイ>?
(ゼロ>ルイも、忘れねぇ方がいいよ。
(ルイ>何を?
(ゼロ>・・・この望遠鏡の事、思いだしてみないか?
(ルイ>思い出すって・・・一体・・・

ルイは望遠鏡を見つめる。
すると、何故か涙がこぼれる。
ルイは涙に疑問を感じたが、ゼロは慌てて誤魔化そうとする。

(ゼロ>や、やっぱ何でもない! 夕飯の支度しよ! 手伝うから!
(ルイ>ちょ、ちょっと、押さないでってw お兄ちゃん?w

ゼロは望遠鏡を見る。
どうやら、この望遠鏡には何かがあるらしい・・・




傘を差して夜道を歩く男に、光が入り込む。
大量の灰が溢れ、灰は炎の塊となり、炎の塊は男にこう話しかけた。

(???>汝の望みを言うで御座る。 どんな望みも叶えるで御座る!

男は驚いて傘を落とした。







〜続く〜








〜予告〜
(男性>力任せでは拙者に勝てぬで御座る。

(空手家>最近襲われた奴のリストだな?

(ゼロ>レクイエムは何でデスロードと戦ってんだ?

(レクイエム>貴方達デスロードなんかに、零王は殺させない!




決闘ライダー零王〜拙者の風に汝が負けた〜




〜おまけ〜
(ブレイズ>見たか! 俺の新しい究極技!
(ゼロ>今までのと何処が違うんだよ?
(フリーズ>脳味噌まで筋肉のブレイズの事はわからないよ。
(ブレイズ>テメェ!
(ゼロ>そういうフリーズの脳味噌は“皮肉”で出来てんのか?
(フリーズ>負けたよ。
(零&焔&氷>次回もお楽しみに!











・孔雀マイ
フリーズと一緒にいた女性。
25歳。
半年前に別れたカツヤの事が忘れられず、デスロードと契約を交わす。
ちなみに名前は『遊戯王デュエルモンスターズ』のキャラクターから。


・城之内カツヤ
マイの元亭主。
27歳。
ゼロとマイが一緒にいた事を少し勘違いしていた。
最後に、新しいペンダントをプレゼントし、仲直りした。
ちなみに名前は『遊戯王デュエルモンスターズ』のキャラクターから。


・リメンバー
デスロードの一人。
マイの『カツヤを忘れられない』気持ちから生まれた。
『カツヤを忘れたい』という願いを『思い出を消す』と解釈した。
真っ黒なローブが特徴で、飛べる。
人や物を神隠しにする(生物は死なない)。
杖での魔法攻撃ができるが、逆に杖がなければ何も出来ない。

(ゼロ>ふぁ〜ぁ・・・

口を大きく開けてあくびをするゼロ。
ここは夕方の『ZTR』である。

(ルイ>お兄ちゃん、そこに夕飯あるから食べといて。

ルイは本を読みながら言った。
客はルイが本を読む容姿にみとれている。
店内には、『忘れ物』と書かれた場所があったが、
殆ど、いや全て常連客からルイへのプレゼントだろう。
ゼロは夕飯を見て立ち止まった。
大盛りのうな丼、山盛りのほうれん草・・・

(ゼロ>・・・多過ぎないか?
(ルイ>それぐらい平気でしょ?
    体力つけて、幸運の星を引きつけなきゃ。

(ゼロ>・・・ルイって、小さい時から強引だよな。
(ルイ>そう?

ゼロは大きく頷き、ウナギを頬張る。
ルイは店の中央に飾ってある真鋳の望遠鏡を見つめていた。




ゼロダッシャー内―――

(レクイエム>ゼロの体を、勝手に使わない事! いい!?
       貴方が憑いてから、何だかゼロ、疲れ気味なの!

レクイエムがフリーズに吠え付く。

(レクイエム>それに、周りの人にばれたら困るの、ゼロなのよ!
(フリーズ>周り? ・・・あぁ、妹さんの事か。
      ・・・可愛かったな・・・

フリーズは一人でにやついている。
レクイエムは呆れて食堂車を出た。

(ブレイズ>おい氷野郎!
      テメェはゼロのお情けでここにいられるってのを忘れるなよ!
      それに俺は、テメェの先輩なんだからな。
      俺に断りなく、勝手にゼロの体を使うんじゃねぇ―――
(セイバー>はい、スペシャルです。
(フリーズ>有難う、セイバー君。
(ブレイズ>テメェわかりやすく無視しやがって!
      先輩の話聞いてんのか!?
(フリーズ>はい、これからも宜しくお願いします。 先輩

フリーズはセイバーから受け取ったカルピスをブレイズに渡す。

(ブレイズ>・・・何だよ、わかってんじゃねぇか。
      ま、頑張れよ。

ブレイズはそう言って、もらったカルピスを飲んだ。

(フリーズ>(フフフ・・・)



(ゼロ>ふぁ〜ぁ・・・

また大きなあくびをするゼロ。
もう夜なので自宅に帰るところである。
ゼロが自転車にまたがると、フリーズが憑依した。
それを拒んでいたブレイズはと言うと・・・




(ブレイズ>ゴガァァァァァ・・・

大きな寝息を立てていた。
レクイエムが2発殴ってもビクともしない。

(レクイエム>・・・セイバー、カルピスに何か入れたの?
(セイバー>はい。 ブレイズさんはブルーベリーで疲れをとるって、
      フリーズさんが。


その時、寝返りをうったブレイズが座席から落ちた。

(セイバー>でも寝てしまうんですねぇ・・・
(レクイエム>もぉ・・・あの謎好きトカゲ!

レクイエムはブレイズを強く踏みつける。
が、ブレイズは既に深い眠りについているのでノーダメージだ。



その頃フリーズは、ロングコートを着、帽子を被り、
沢山の女性と一緒に夜の街を歩いていた。





時の汽車『ゼロダッシャー』。 次の駅は、過去か、未来か―――





決闘ライダー零王〜第7話:ジェラシー・ボンバー〜





あるボロアパートの一部屋―――
真っピンクの部屋で、何故かゼロが寝ている。
ゼロは目を覚ますと、そこにはうずくまって泣いているルイの姿が・・・
ゼロは声をかけたが・・・

(ゼロ>・・・ルイ?
(女性>・・・あ、ゼロ、起きた?
    朝ご飯すぐできるから。
    シャワーは勝手に使って。

ゼロは飛び起きた。
この人誰!? ・・・てかここ何処!?
頭の中がパニック状態である。
ゼロは何か思いついたのか、ケータイのデジカメフォルダを開く。
案の定、色々な女性とツーショットをとっていた。
もちろん、ここの女性も・・・
ゼロは大急ぎで部屋を出た。

(ゼロ>すみませんでした!
(女性>ちょ、ちょっと、何謝ってるの!?
    いいから朝ご飯食べなよ!

帰ろうとするゼロの腕を引っ張る女性。
それを自転車に乗ってきた大工姿の男が、下で恨めしそうに見ていた。
ゼロはゴミを捨てようとした住人とぶつかり、
その住人と大量のペットボトルと共に階段を転がり落ちた。

(女性>だ、大丈夫!?
(ゼロ>だ、大丈夫で〜す、すいませんでしたぁ!

大急ぎで走り去るゼロ。
女性は笑いながら『またね』と手を振った。

(男性>マイ〜、あいつ〜!

マイとは、恐らくあの女性の名だろう。
男性は持ってきたバラの花を握りつぶしてしまった。
そして階段の方に目をやると、財布が落ちていた。
自転車でかけより、拾って見ると、『神超ゼロ』と書かれた名札があった。

(男性>神超ゼロ・・・あの野郎ォォォ!



部屋に戻ったマイは、カーテンと窓を開ける。
その後、『よし!』と一声あげ、座ろうとするが、
心の中に『ヴィヴァルディ作曲 四季―春』のメロディが響く。
が、マイはそれを忘れ去ろうとするように自分にきつけをする。

(マイ>いただきま〜す。

朝ご飯にありつけようとした直後、エネルギー体がマイの中に入り込んだ。
毎度お馴染み、デスロードである。




(ブレイズ>テメェ! この氷野郎!

ブレイズは食堂車に客がいるにも拘らず、
フリーズ狙って座布団を投げまくる。
フリーズはそれをヒラリと避ける。
ゼロは眠り、レクイエムとセイバーは呆れて見ている。

(ブレイズ>待て! よくもやりやがったな! 待ちやがれ!
(フリーズ>先輩も、お疲れかな、と思ってね!
      寝ないよねぇ、ブルーベリーで!
      ねぇレクイエムさん?
(レクイエム>いい加減にしなさい!

レクイエムはフリーズにパンチを食らわせようとするが、
フリーズは咄嗟に避け、拳は後ろのブレイズに命中した。
そこへ、オーナーがやってきた。

(オーナー>車内でのもめ事は困るといった筈です。
      ここはゼロダッシャーの乗客全員が、
      快適に過ごす為の場所なのです。

オーナーが言ってる間も、喧嘩し続ける2匹のトカゲ。
するとオーナーは懐から赤いカードを取り出す。

(オーナー>私には、乗車拒否と言う最終カードがある事をお忘れなく。
      フフ・・・

すると急に喧嘩は途絶え、トカゲは互いに肩を組み合っていた。

(フリーズ>やだな〜、ちょっとした運動ですよ、ねぇ先輩?
(ブレイズ>おぉ! あぁ〜いい汗かいた〜!
(オーナー>セイバー君、最近旗の差し方が緩くないですか?
      チャーハンも以前より粘りが少なく―――
(セイバー>同じです。 そういうの、スポーツマンシップにかけますよ。
(オーナー>はい!

オーナーは背筋を伸ばして応える。
そして、食堂車に出る際、初めて知ったように呟く。

(オーナー>・・・スポーツだったのですか・・・

オーナーが出た後、2匹のトカゲはまた暴れ出した。
それをゼロが止めに入る。

(ゼロ>おいおい、喧嘩は止めろよ!
    本当は俺の方が怒りたかったのに!




あるディスコで―――
一つのケータイが鳴る。
メロディは、ヴィヴァルディの『春』だ。
持ち主の女性がとったが、周りがうるさくて聞こえない。
そこへ、真後ろに真っ黒なローブをきた者が・・・

(???>消去!

真っ黒なローブを着た者はローブを広げ、
ケータイと女性を跡形もなく消し去った。



『ZTR』―――
今日も静かな店内だが、そこへうるさい客が来た。

(ルイ>いらっしゃいませ。

客は自転車毎店内に侵入してきた。
その男は、ゼロとマイが一緒にいたのを恨めしそうに見ていた男だ。

(男性>こ、ここに『神超ゼロ』はいるか!?
(ルイ>はい。 でも今は出かけてるけど・・・
(男性>よ、呼び戻してもらおうか!

男性は怒鳴るように言うが、ルイは全くペースを乱さない。
平常心を保ってるのか、それともただの天然か・・・神超ルイ、恐るべし。



何処かの地下駐車場に降りたゼロ。
その瞬間、ブレイズが憑依し、ゼロに語りかける。

(零焔>ったく、ゼロ甘いんだよ!
    あの氷野郎の何処がいいデスロードだ!?
(ゼロ>(まぁな。 自分勝手だよな、少し。)
(零焔>少し!? おいゼロ、テメェ運悪すぎて感覚おかしくなってんぞ!
    あいつが来てから体は重ぇし、どうも調子が―――

ブレイズは立ち止まる。

(ゼロ>(どうした?)
(零焔>匂うぜ・・・デスロードだ! 外に出た甲斐があったなぁ!



『春』がBGMとして流